パリ発!教えたくない逸品 - 粟野真理子
第2回 秘密の花園のランジェリー フィフィ・シャシュニル
「素敵なランジェリーだね」
そんな言葉をかけてもらう機会というのは、そうそうあるものではない。
つまり、思わず褒めたくなるほど素敵なランジェリーというのはそうそう見つかるものではないし、また、ランジェリーはそう簡単に他人に見せるものではないから。
私がこよなく愛するランジェリー・ブランド「フィフィ・シャシュニル」は、こうした印象的なシーンを演出できるランジェリーだ。
まず、ブティックをのぞいてみよう。
「フィフィ・シャシュニル」のブティックは、パリ市内に3店鋪あるが、私のお気に入りは、レ・アル地区のジャン・ジャック・ルソー通りにある本店。
通りから一歩入った静かな中庭に面するブティックは、外の窓がラスから中が見え、開放的な空間。
小さなカナペやピンクのクッション、優雅なフォルムのタンスなどが配され、ブルジョワのまるでブドワールー貴婦人の支度部屋のような雰囲気がたちこめる。
そして、そこに飾ってあるランジェリーは、私の大好きなマルセル・プルーストの「失われた時を求めて」に登場する、スワン夫人がサロンで着るような『初雪のように白いクレープ・デシンのガウン』風だったり、マリー・アントワネットがドレスのなかに纏っていそうなエレガントなビュスティエ風だったりで、とても可憐で美しい。
フランスの華麗な歴史のなかから生まれてきたようなデザインが、心惹かれるのだ。
女性なら、みなレースやフリル、シルクは大好きだと思うが、私もまさにそのひとり。
普段着ている服は、どちらかと言えば、シンプルな無地のモノトーンなものが多いが、中に身につけるランジェリーは、リュクスなレース使いのシルクのものが好きだ。
そして、色は黒やピンクが好き。フィフィのランジェリーは、フェミニンなピンクを中心としたデザインのものが多く、甘いピーチピンクに黒のレースがついたニュイゼットや、淡いパープルのキャミソールなど小躍りしたくなるような素敵なデザインのランジェリーがいっぱいあるのだ。
文字入りのショーツも可愛い。
dimanche(日曜日)、lundi(月曜日)…と1週間の曜日の文字がフランス語でプリントされていて、日替わりで履けるようになっている。
これはナイロン素材なのだが、クオリティの高いものでとても軽くて、手洗いして干しておけばすぐに乾くので、旅行のときに重宝する。
曜日ごとに色を替えて、身につける愉しみもある。
ランジェリーは人に見せるものではないが、フィフィ・シャシュニルのランジェリーはクローゼットにしまって、そっと眺めるだけでも楽しくなる、まるで秘密の花園のような存在。
フィフィのお店に行き、そっと秘密のドアを開いてみたい。
2006年07月10日 14:09| 個別ページ
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