ヤツ当たり!この馬が買い! - 樋口榮一
第23回 毎日王冠/人気薄だが今度こそローエングリンが差す
凱旋門賞は思わぬ展開だった。日本でも先行したことのないディープインパクトが早目の仕掛けで有力馬の前に行き、差されたことのないディープが後ろの馬に食われた。かかったわけではないのでこれは武豊の作戦。結果を展開から解説することは簡単だが、展開の予測は難しい。騎手だってわからない。作戦を決めていても、相手の出方次第で駆け引きしなければならないからである。「府中の千八展開いらず」と言ったのは大橋巨泉だが、開幕週の毎日王冠のカギは展開とペース、穴になるパターンを考えてみたい。
今年の宝塚記念のときに武豊は逃げるかもしれないと書いた。
当時は8頭などという少頭数になるとはだれも思っていないわけで外差しの利きづらい凱旋門賞を武豊が想定した場合、一度くらいはディープを逃げるか先行する競馬を経験させてもおかしくないと思ったからである。
武豊はかつて凱旋門賞で大本命馬ホワイトマズルに乗り大外を回って脚をあました6着という失態があり、騎乗に反対していたチャップルハイアム調教師(日本に輸入が決まっていたので乗せざるを得ない立場だった)は手にした双眼鏡を床にたたきつけて激怒した。武豊の欧州での評価はこのときの騎乗で決まった。
欧州の競馬紙から武豊は「へたくそジャポネ」みたいなレッテルを貼られた。
レッテルからは出口なし、その後武豊は2度にわたってフランスに長期滞在したが、日本人関係の馬が回ってくる程度でベストテン下位がやっとという成績で勝ち負けできるだけの馬に騎乗するチャンスにはあまり恵まれなかった。
そのころの豊といまの武豊ではちがう。
豊としてはディープでなんとしても当地での汚名挽回をしたかったにちがいない。
後ろで競馬して直線のグリーンベルトを走れなかったホワイトマズルの失敗を考えたときディープを前で競馬させることは考えていたはずだから、凱旋門賞を想定したとき宝塚記念はテストドライブしてもおかしくなかったのが、豊は宝塚記念で安全策をとった。
一回でもそういう競馬をさせておけば、先行する場合の息の入れ方などを学習して、あるいは結果はちがっていたかもしれない。
それにしてもフランスの有力馬がディープマークの待機策をとる中で正攻法で勝つということは容易ではない。
なにしろ初の海外遠征で、走ったことのないような重い馬場、背負ったことのない重い斤量、開いたレース間隔…と正攻法で勝つには厳しい条件ばかりなのに人気にだけはなりぎていた。
それだけにディープの好走は光ったし悔いなき負けだったと思う。
秋雨前線にたたられた開幕週とあって、騎手の心理としてはだれしも内埒ぞいのグリーンベルトを走りたい。
凱旋門賞のディープの位置で正攻法の競馬をするのが勝利への最短距離と考えるのが自然だろう。
展開は内からダイワバンデッド、メジロマントル、グレイトジャーニーなどが先を争う。有力と目される馬のほとんどが中割り外差しタイプで、逃げ馬の番手が混雑しそうな感じがする。
ロジック、ダンスインザムード、ダイワメジャーあたりが先団、そのあたりの動きを見ながら差しタイプが仕掛ける。
先団の馬がどこまで我慢できるかがポイントで、仕掛けが早いと2番差しも含めた差し馬の好餌になる。
【毎日王冠 G2】
10月8日 15時40分 東京 11R
サラ系3歳以上/○国際○指定/オープン/別定/1800m/芝(左回り)

G1馬6頭が出走する天皇賞秋へのステップレースだが、秋天一本の中距離タイプもいれば、2択のマイラータイプもいる。
秋天ではG2「札幌記念」を勝った3歳アドマイヤムーンが有力視されるくらいだから、マイラーだって1800メートルのここで好勝負すれば秋天への展望が開ける。
有力馬のほとんどが4ヵ月程度の休養明けで仕上がり度が問題だが、おおまかにいうと1番人気アサクサデンエン以下6頭が単勝5倍台から11倍にひしめく大混戦。
主役不在で騎手にとっては目標をどの馬にするかが難しい。
アサクサデンエンは昨年の安田記念馬でマイル5勝。
昨秋はぶっつけで天皇賞を使い、流れがスローだったので前々で競馬したが決め手を生かすことができずに4着だった。
後ろにいたヘヴンリーロマンス、ゼンノロブロイに差され、前をいくダンスインザムードを捕えることもできなかった。
府中は全8勝中6勝をあげている得意コース、それゆえの天皇賞挑戦だったが、実績から距離が微妙に長かったのと流れも向かなかったかもしれない。
海外2戦はレースにならなかったが、復帰戦となった安田記念ではブリティッシュラックの2着と力のちがうところを見せた。
1800メートルの実績は(1.1.2.0)で守備範囲である。
ダイワメジャーは昨年のこのレースの5着馬、秋天は賞金不足で出られなかったがマイルCSではハットトリックにハナ差の2着だった。
この馬は皐月賞2000メートルを勝っているように、マイラーとはいえないが府中(0.0.0.5)が示すようにコース実績がいまひとつ、先行粘り込み型のこの馬にとって直線の長い府中はベストではないし大外枠もつらい。
ダンスインザムードは新設G1ヴィクトリアマイルを勝ったあと安田記念で5着、その後米国に遠征しG3キャッシュコールマイルを勝った。
一昨年香港遠征以降昨秋まで6戦連続で惨敗が続き終わったような印象だったが、さすがに良血馬、秋天では3着と復調した。
牡馬一線級には力負けしているがかならず争覇圏内で競馬しているようにムラ気はなくなり気性面での成長が目立つ。
展開は不問、マイルがベストだが1800メートルでも問題はない。
世代レベルの高そうな3歳馬がどの程度の競馬をするかも見どころ。
ロジックはNHKマイルC勝ち、続くダービーも5着と予想以上に走った。
体型的にはマイラーとしてきわだった特徴がないので距離対応力があるのかもしれない。この後は秋天か菊花賞という選択肢で、いまのところマイル路線は視野にないようだ。
別定57キロは有利ではないが大きく崩れることはない。
マルカシェンクは2歳3連勝時にはダービー候補といわれた馬。
骨折で春前半を棒に振ったが、京都新聞杯で復帰してどうにかダービー(4着)には出走できたが、間に合ったというよりは間に合わせたせたという感じで急仕上げ気味だったことはたしかである。
決め手勝負タイプなのでスローになりがちな長距離戦よりはこのくらいの距離が合っていそうだ。
サクラメガワンダーはラジオたんぱ杯でアドマイヤムーンを破り、春のクラシックで期待されたが尻すぼみの成績、展開に注文がつくのと、馬体に威圧感がない。
安田記念で注目したカンパニーはレース中に不利があったことはたしかだが、パドックを見たとたん希望が失せるような状態で、中間に何があったか知らないが、体調は万全とはいえなかった。
ここは仕切り直しの1戦、得意の距離で巻き返しがあっても不思議ではない。
テレグノシスのタイトルはNHKマイルCだが、むしろ1800メートルを得意としている。
毎日王冠は今年で3年連続出走になるが、昨年が2着で一昨年はローエングリン以下を下した。
昨年マイルCS、香港マイルを連勝したハットトリックが今年はまるで精彩がない。
ドバイ遠征が裏目に出たような感じだが、一拍おいたここで見限るのは早い。
前々走の出遅れで脚質転換してしまったようなローエングリン、前走は中山マイルの1番枠なのに最後方まで下げて大外ぶんまわすという流れを無視したような競馬をした。
それでも4着と差のないところまできている。
差す競馬が板についてきたことはたしかで、人気もないので思い切った競馬ができる。
オースミグラスワンあたりはなんとか賞金を加算したい。
結論 有力馬が早めに動きそうなのでローエングリンの2番差しに期待する
馬連 7-13:33.4
4-13:167.7
8-13:91.1
11-13:130,3
12-13:129.4
13-16:64.8
5-13:120.9
10-13:40.9
3連複 13軸に4、5、7、8、10、11、12、16(28通り、4900~113000円)
【京都大賞典 G2】
10月8日 15時40分 京都 11R
サラ系3歳以上/○国際○指定/オープン/別定/2400m/芝(右回り)外回り

長欠馬が多いが地力勝負とみてAJ値上位のインティライミと京都2400得意で最大値の高いアイポッパー中心に3連単を組む。
3連単フォーメーション(40通り、5520~55000円)
1着:1、11
2着:1、11、5、6、8、9
3着:1、11、5、6、8、9
オッズは土曜午後11時現在。
2006年10月08日 03:47| 個別ページ
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