ヤツ当たり!この馬が買い! - 樋口榮一
第30回 ジャパンカップ/超女ウィジャボードがディープインパクトを破る
ディープインパクト1.6倍、ハーツクライ5.9倍、ウィジャボード7.8倍、そりゃそうだろう。ハーツクライがアスコットのキングジョージで3着した時、ホームだったら外国馬などにまず負けることはないと思った。ディープインパクトの凱旋門賞の時はそれ以上、負けはしたものの両馬とも想像したより強かったし価値のあるレース内容だった。
もしJCでぶつかることがあれば2頭のアトサキさえ考えればよいと思った。
しかし、ここ数週来出てきた話は悪材料ばかり、レースが終わってみれば、大山鳴動…なのかもしれないのだが、よもやこんなに疑う余地のある競馬とは…。
実際今年のJCの外国馬はウイジャボードとフリードニアの2頭だけ、最低が一昨年の5頭だったのだから国際レースとしてはいささか淋しい。
ハーツクライ、ディープインパクトが待ち構える日本にまでわざわざ行くものかというような雰囲気もあった。
日本の競馬(JRA競馬)は、その閉鎖性ゆえに競馬一流国とは認知されなかったのだが、国際レースを増すことと引き換えに世界で16番目のパート1国になった。
遅きに失した感もあるが、ハーツクライ始め国際G1を制するような馬が出るに至って、JRAとしても国内生産者保護みたいなお題目だけ唱えているわけにはいかなくなった。そんな中で行われるJCだが、10月16日の予備登録の段階で50頭いたエントリー馬が上記2頭を除いてすべていなくなってしまった。
日本馬のレベルアップを象徴しているような事態であることではあるのだが、例年と比べると一線級外国馬が出場するアメリカのブリーダーズカップ(BC)が1週早まってJCから中2週という日程の影響もあった。
現時点で、JCの勝ち馬の価値がBCの勝ち馬を上回ることなどは考えられないからである。
ところがウィジャボードは、BCから中2週で太平洋を越えて日本にやってきた。
ディープインパクト、ハーツクライの悪材料がカミングアウトする前にJC→香港という臨戦を決めていた。
【ジャパンカップ(GI)】
11月26日 15時20分 東京 10R
サラ系3歳以上 オープン (国際)(指定) 定量 2400m 芝・左

迎え撃つディープインパクト、ハーツクライの悪材料が噴出したのはここ60日くらいの範囲内である。
まず第一幕はディープインパクトの青天の霹靂ともいうべき引退宣言と51億円シンジケートの結成である。
凱旋門賞終了直後に来期への手応えを語っていた池江陣営にとってさえ寝耳に水の出来事だった。
おそらくディープの価値が下がらないうちに上げてしまおうというオーナー、生産者サイドの判断だったと思う。
今にして思えば薬物騒ぎが起こる数日前に発表されたのだが、これが因果関係があってのことかどうかは知る由もない。
ま、どういう経緯にせよ目先の2億5千万円の賞金を取ることよりは、51億円種牡馬を壊さないことが大事、サンデーサイレンスの最有力後継馬として無事にスタリオン入りすることが最重要課題になったのである。
そのような馬をレースを勝てるだけ究極の状態にまで仕上げることができるかどうか。
だいぶ昔のことだが、12戦11勝2着1回というパーフェクトな戦績で8連勝中のタイキシャトルがラストランのスプリンターズSで3着に破れた。
単勝1.1倍、ターフビジョンの「タイキシャトル勝利の蹄跡」には、そのスプリンターズSまで予定稿として組み込まれていた。馬体こそさして太くは見えなかったが目一杯には仕上がっていなかったという印象が残っている。
ディープインパクトのJCがラストランとは断言出来ないが、走ろうが走るまいが種牡馬としての価値が変わることはない。
無理する必要はないのである。
第二幕はハーツクライ陣営のノド鳴り公表会見。
薬物疑惑に関して完黙だったディープ陣営に対するアテツケであるかのようにも感じられたが、要点をかいつまむと「内視鏡の検査で喘鳴症と診断された。ノドの右の弁に比べ、左の弁が弱いらしい。キングジョージのレース前からで、動きには問題ない。完全なるノド鳴りではないので、あとは馬券を買ってくださる皆さんが判断して下さい」と橋口調教師は語った。
これは前例のない勇気あるディスクロージャーなのだが、判断して下さいと言われても困る。
この談話には、もし期待に応えられない場合…という前提があるわけで、何も心配ないなら言わずもがなのことかと思う。
知識外のことでいい加減なことは言えないが、ノド鳴りは放っておくと進行すると言われる難病。
手術したらば間に合わない。
使うしかないのだが、大丈夫とも言えない橋口陣営苦渋の表現のように思う。
この2頭を信用しないとすると、残るはウィジャボード、ドリームパスポート、メイショウサムソン、コスモバルク、スウィフトカレントあたりになる。
英国馬ウィジャボードはG1を7勝した女傑。プリンスオブウェールズSでエレクトロキューショニストを破ったり、牝馬では極量の59.5キロでナッソーSを勝っている。昨年のJCでアルカセットとコンマ3秒差の2分22秒4で5着だったのだから日本の軽い馬場への対応力はある。
BCから中2週での太平洋越えが懸念材料となりうるかどうか。
ドバイシーマクラシックは休養明けでハーツクライに完敗したが、戦績を見るとどうやらこの馬は使い込まれて良くなるタイプのようだ。
外国馬を推奨するのは気がひける。
なぜなら馬券を買う立場にとっては外国馬の出走は1回ぽっきり、負けたら次戦でというわけにいかない。
だから人気薄外国馬ならともかく、人気馬は買いたくない。
しかし、このウィジャボードは3番人気、ディープに勝てば19倍、馬もさることながらデットーリに賭けて19倍なら十分な価値がある。
3歳ドリームパスポートとメイショウサムソンは古馬とは初顔合わせ、菊花賞はレコード決着となる高レベルのレースで、ドリームパスポートの3分02秒7、メイショウサムソンの3分03秒4ともに昨年のディープインパクトの3分04秒6を凌いではいる。長距離戦の時計はペースメーカー次第で3秒や4秒の違いが出るので比較材料にはならないが、ディープインパクト世代のアドマイヤジャパンやシックスセンスよりは上位という気はする。
ソングオブウインドに負けたのは気に入らないが、ドリームパスポートは適距離で、メイショウサムソンはシェイプアップすれば好勝負は可能。
コスモバルクは一昨年のJC2着馬、オールカマーで初めて折り合った競馬をしたので秋天で期待したのだが、その折り合いが仇になったような競馬でコースもなく脚を余していた。スイフトカレントには先着するだろう。
単勝は1.6倍でタイキシャトルのスプリンターズSほどではないが、まず絶対的に信頼されている。
薬物で凱旋門賞失格というアヤがついた引退表明馬なんだからもう少し配当があってもいい。
結論 この後の香港まで視野に入れているというウィジャボードの超女的な活力に期
待します
馬単:ウイジャボード→ディープインパクト(19.3)
馬連:ウィジャボード=ハーツクライ(18.3)
ウィジャボード=ドリームパスポート(38.6)
ウィジャボード=メイショウサムソン(39.2)
ウィジャボード=コスモバルク(91.5)
土曜23時現在
2006年11月26日 00:59| 個別ページ
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