パリ発!教えたくない逸品 - 粟野真理子
第5回 カメリアのコサージュ レジュロン
寒い冬の午後。
アパルトマンのサロンの窓辺からテラスを覗いたら、鉢植えの淡いピンクのカメリア(椿)の花が見事に咲いている。
花びらがうっすらと桃色のピンクで、花弁が黄色。
蕾みが20個ほどついていて、花がひとつ、ふたつ、みっつと咲き、今にも咲きそうな蕾みがいくつかあり、これを眺めているとどんよりと鉛色に曇ったパリの冬も、心がほんの少し慰められるような気がしてくる。
あぁ、パリって冬は本当に憂鬱なんだから。
カメリアと言えば、「椿姫」やココ・シャネルを思い浮かべてしまう。
シャネルの創設者、ココ・シャネルはカメリアをこよなく愛し、ココはよくカメリアのコサージュを付けていた。
シャネルのブランドではカメリアをモチーフにしたコサージュやチャームペンダントなどを今でも毎回いろいろ発表している。
そんなコサージュを長年作り続けている老舗のアトリエのひとつに、「レジュロン」がある。
創業は1727年。
オペラ地区の一角の古い建物のなかにアトリエがあり、そこで裁断から染色、縫製まですべてがアルチザンな手仕事で行われている。
代々レジュロン家の人がこの仕事に携わり、シャネルやディオールなどオートクチュール・メゾンの大切な手仕事の部分を担ってきた。
現在の主人はブリュノ・レジュロン氏。
パリコレなどのシーズン前後は、異常なほど忙しくなるそうだが、そうでなければいつでも気軽に探しに来てください!と、来訪者を快く歓迎してくれる。
そこで作られるカメリアの花は、家のテラスで咲いているカメリアのように可憐で繊細な作り。
純白のオーガンジーで作られたものや、黒や深紅に染めたものなどさまざまなデザインのコサージュが、昔から使われている木のひきだしにいっぱい入っている。
シルクのブラウスなどに、レジュロンの華麗なカメリアを付けるだけで、すっかりクラス感が出る。
ときどき通って、ひとつ、ふたつとカメリアのコレクションを増やすのも楽しいものだ。
2007年01月30日 06:50| 個別ページ
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