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ヤツ当たり!この馬が買い! - 樋口榮一

第40回 ダイヤモンドS/裸の女も魅力だがトウカイトリックの距離実績と騎手を信頼

長距離得意の面々といっても天皇賞・春に出てきて重い印のつくような馬はいない。一線級と比べるとだいぶ落ちる。トップハンディはアドマイヤフジの57.5キロ、インティライミとともに弱い5歳の代表格で、昨年の日経新春杯を勝った実績から背負わされるが、現状での能力といったら1600万下勝ち上がりの馬と変わらない。

ダイヤモンドSは現在東京コースに残っている唯一の長距離重賞。
3200メートルの天皇賞・秋が1983年から2000メートルの中距離戦に変わって、日本で一番権威のあったマラソンレースはなくなった。
直線平坦の京都の長距離戦はスピード馬でも克服可能だが、直線に上り坂のある東京の長距離戦はマラソンランナー資質がなければ勝てない。
JCの創設、国際化などのお題目を唱えて、日本の競馬でいちばんおもしろく、しかもダービーと並ぶ権威のあった天皇賞・秋を換骨奪胎したJRAお役人と、これを進化のごとく評した大橋巨泉はじめとした御用評論屋には憤りがある。
国外では3200メートルのメルボルンCだって4000メートルのアスコットGCだっていまだに健在、長距離レースの価値がなくなったわけではない。
そんな物言いが時代遅れなのは承知の上だが、競馬というのは開催国独自の伝統が継承されてこそのスポーツだと思う
3200メートル時代の天皇賞・秋は、パッシングゴールがこようがクラウンピラードがこようが、トウショウボーイが7着に沈もうが説明のつくような競馬で、レース予想をする上ではファジーな要素でしかない「血統」がいちばん色濃く反映された競馬だった。
現在日本で3000メートル以上の重賞レースといったら、G1が天皇賞・春、菊花賞(いずれも京都)、G2が阪神大賞典(阪神)、ステイヤーズS(中山)、G3がこのダイヤモンドSと全部で五つ、お手軽に馬が集まる1200メートル重賞の3分の1かそこらしかない。
マラソンランナーは希少種の時代になった。

【ダイヤモンドステークス】G3 登録馬

2007年2月11日 東京11R 発走 15:35
サラ系4歳上/○国際□指/オープン/ハンデ/3400/芝(左回り)

DiamondS.gif
注 10番メジロコルセアは出走取消。

そんな風潮の中、ダイヤモンドSは東京競馬場を改修したため昨年から距離が200メートル延びて3400メートルの長距離戦となった。
ますますマラソンランナー資質が問われるレースになったわけだが、レースを難しくしているのはハンディキャップ。
軽ハンディのマラソンランナータイプが狙い、ということになるのだが…

3000メートルの万葉S1、2着馬が人気の中心になりそう。
バイロイトは、道中ぴったりトウカイトリックをマークして、一呼吸早く抜け出したトウカイトリックと競り合いの末にこれを下した。
ハンディは56.5キロで前走比1.5キロ増、四位に替わってカツハルの手綱、府中コースが向いているかどうか、などいくつかの不安材料に加えて、自身は長距離をこなしているがシングスピール産駒はアサクサデンエンにしてもローエングリンにしてもスピードタイプ、府中で400メーターの距離延長では魅力がない。

トウカイトリックは先行してこその馬と思っていたが、昨秋復帰してルメールが手綱を取るようになってから差す競馬が板についてきた。
長くいい脚を使えるが決め手がないだけに主導権取るようなレースのほうが向いていると思うのだが…
ステイヤーズSでは有馬記念2着馬のアイポッパーに完敗したが、これは力の差。
万葉Sは先に仕掛けた分目標になった。
使い込めば使いこむほど走るタフな馬で、昨年は3着に頑張った。
距離適性はいちばんといってもよい。
問題は57キロのハンディ、ステイヤーズSは57キロをこなしたが、昨年は54キロで3キロ軽かった。

アドマイヤフジはディープインパクトの勝った三冠レースすべてに出場して5、4、6着だった。
この世代はディープだけが別格で、皐月賞2着のシックスセンスが香港ヴァーズ2着、京都記念1着でいちばん走ったほうだが引退、菊花賞2着のアドマイヤジャパンはその後JC、大阪杯と2戦したが凡走して引退した。
ダービー2着馬インティライミもG2、G3で入着という程度しか走っていない。
57.5キロでは強気になれないし、距離もベストとはいい難い。
トウカイトリックだってこの世代なのだが、阪神大賞典でディープの2着だったようにアドマイヤフジよりも成長感がある。

チャクラは3年前にステイヤーズSを勝ち、2年半前に目黒記念を勝った。
一昨年のダイヤモンドS3着馬で、その時は57.5キロだったから、今回は1.5キロ軽い。
休み明けだった2走前のステイヤーズS(5着)あたりから復調気配がうかがえる。
距離は延びるほどよく、このあたりが適鞍。

トウカイトリックを問題にするなら、前走を度外視すれば全5勝が東京という左巧者チェストウイングはそこそこ。
アルゼンチン共和国杯ではトウカイトリックに先着(4着)しているし、ステイヤーズSはアイポッパー、トウカイトリックに次いで3着だった。

軽ハンディ馬では裸同然49キロのターキーに注目、前走のグッドラックHで狭い内をこじ開けた根性は牝馬らしからぬもの。
父Sinndarは、英愛ダービー、凱旋門賞の勝ち馬で、母父は仏ダービー馬、日本での産駒はこの馬だけだが、ペーパー上距離は問題なかろう。
それにしても江田照男が49キロに乗れるとは知らなんだ。
昨年のメジロトンキニーズの連想から穴人気にはなりそうだけれど。

結論 距離実績と乗り手を信頼してトウカイトリックが軸

馬連:2=9
  :2=12
  :2=7 

3連複:2、9、7、12のBOX。(6通り)

【きさらぎ賞】G3 登録馬

2007年2月11日 京都11R 発走 15:45
サラ系3歳/○混○特指/オープン/別定/1800/芝(右回り)外回り

Kisaragi.gif

最近ではスペシャルウィーク、ナリットップロード、ネオユニヴァースがここを勝ち後のG1馬になった。昨年はドリームパスポート、メイショウサムソンが1、2着、クラシックを占う上では見逃せない一戦だ。

実績最右翼はラジオNIKKEI杯2歳Sで3着だったナムラマース。
昨年の札幌チャンピオンで、チーフベアハート×母父フレンチグローリーという地味な血筋だがイメージ以上に走る。
ラジオNIKKEI杯2歳Sはフサイチホウオーの斜行で狭いところに押し込められ苦しい態勢になったが、前が開くとまた伸びた。
未勝利を勝ちあがるまで5戦を要したためここが9戦目となるが、昨年のメイショウサムソンもきさらぎ賞が8戦目だった。
好位置で競馬できるのが強みで大崩れはあるまい。

ナムラマース以上に実害のあったのは5着のアサクサキングスである。
騎手が立ち上がるほどの不利でフサイチが降着にならなかったのが不思議なくらい、行き脚のついたところだけに痛かった。
それでいながらゴール前の伸び脚はナムラマースを上回っていた。
前々走の百日草特別ではその後京成杯を勝ったサンツェッツペリンを下している。
人気はたぶん3番目だがナムラマースには負けまい。

新馬戦で2着以下を1.3秒差ちぎって大楽勝したオーシャンエイプスは、ことによるとかなりの器かもしれない。
スローペースの競馬で時計的にどうということはないが、レースは馬なりで追ったところなし、4コーナーで外に膨れたのがやや気になるが直線は引き離す一方だった。
キャリアの浅い馬だけに頭数が8頭と少ないのはいい。 
 
札幌2歳Sでナムラマースの2着だったアドマイヤヘッドは、京王杯2歳S5着、朝日杯FS11着とその後いいところがない。
見かけは悪くないが、見せ場も作れない現況では買い材料がない。

結論 前走致命的不利をこうむったアサクサキングス

馬単:7=3
   7=6
 
3連単:7-3-6、7-6-3、6-7-3。

2007年02月10日 20:45| 個別ページ

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