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ヤツ当たり!この馬が買い! - 樋口榮一

第46回 高松宮杯/4歳マイネルスケルツィの底力に期待

「日本」が、というより「JRA競馬」がパート1入りしたことに伴いさまざまな改革が行われている。今月6日の政府閣議で競馬法と日本中央競馬会法の一部改正案が正式決定した。馬券の控除率が下がるんだそうだ。なにを今さらという感がするが、ファンにとっては配当が上積みされるのは有難い。しかしそれによって命脈が尽きそうな競馬もある。

目的は明らかである。
右肩下がりの売り上げ減に歯止めをかけるためだが、本来なら控除率の高さが再三俎上に上った10年以上前の好況期にやらなければならないことだった。
テラ銭25%を、単勝、複勝に限って20%にしたのが2年前。
だからといって単勝、複勝の売り上げが伸びたわけではない。
たいして人気のない馬券が控除率を下げることで売れると思ったのか、大筋の売り上げに関係ないところでファンの心証を良くしようとしたのかわからないが、少なくとも単、複馬券が率がいいとシフトした人はない。
3連単高配当馬券が全盛のいま5%(?未定)をプラス配当いたします、と言われて有難がる人がいるのだろうか。
もちろんくだらないイベントとか、おためごかしのファンサービスなどよりはマシだけれども、おそらく売り上げアップなどにはつながるまい。
年間100万円負けている人が95万円ですみますと言われても喜ばないだろう。
競馬離れは、控除率が高いからということではない。
競馬を支える中高年のファンにとって、裁決、番組、免許、伝統の破壊etc.etc.etc.JRA競馬の理不尽なことが気に入らんのですよ。
まだ余裕のあるJRAはともかくとして、瀕死状態の地方競馬はどうなってしまうのだろう。
右に倣えで控除率を引き下げたなら即命脈がつきるだろう。
さりとて現状のままだと、量販店が安売りしてるのに、小売店は値下げしませんみたいな話、主催者裁量で控除率は決めて、それでダメなら撤収するしかない。
農水が上限を決めるのだそうだが、上限にしても下限にしても上納金を受け取る立場の農水が口を出すようなことではない。
地方競馬の優等生と言われた「岩手競馬」が県議会レベルで存廃が論議され、首の皮一枚で存続することになったが、前向きというより廃止までの経過措置としか受け取れない。それにしても297億円という融資を県と盛岡、奥羽の2市で捻出する。
どぶに税金を捨てるようなものだ。
表面化していないが盛岡新競馬場建設費が230数億円から400億円に膨らんだのが破綻の遠因、ここに関しては根元が腐っているような気がする。
もっと情けないのはハルウララの高知競馬、JRA交流重賞「黒船賞」の原資がないということで1口1000円の「かいばおけ募金」をファンに求めた。
人のいいファンもいるもので2098口、8、0402、501円集まったらしいが、1、2着がJRA馬だから、地元にまったくカネは落ちなかった。
結局やらずもがなのレースを強行して自分たちのクビを締める。
地方競馬は南関東と園田あたりを除いたほとんどは似たような状況で沈みかかっている。そんなときに控除率の引き下げを行おうというのだから、これは首吊りの足を引っ張るようなものだ。
遠からず多くの「競馬難民」が出るだろう。
沈没船から抜け出そうとする騎手は不沈艦と目されるJRA丸に乗船しようとしている。今年は安藤勝己のお兄ちゃんの安藤光彰が、笠松からJRA騎手では最高齢(48歳)でデビューした。

安藤勝己42勝、岩田康誠35勝、武豊25勝(3月23日現在)、いうまでもなくアンカツ、イワタは地方競馬出身騎手、いまやエリートサラブレッドの武豊と互角以上の信頼を得て、ようやく勝つチャンスのある馬への騎乗が多くなった。
やっと縄張りの中に入れた。
乗り馬が五分の力なら武豊以上の競馬が出来るのが彼らである。
技量が問われる小回りの競馬場で毎日安い賞金の競馬で磨いた彼らのウデは信頼できる。おそらく今年のリーディングジョッキーは武豊ではない。
地方騎手ではJRA騎手を希望していない大井の内田博幸は別格として、コスモバルクでシンガポールG1を勝った五十嵐冬樹、森調教師がドバイでアグネスジュダイに乗せる金沢の吉原寛人、今週の高松宮杯に乗る名古屋の岡部誠と吉田稔、先週の阪神最終で穴を出した同じく名古屋の安部幸夫、園田の下原理、南関東では元日本一小さい益田競馬場の廃場で大井に転籍した御神本訓史、大井の戸崎圭太、船橋の左海誠二、張田京、山田信大、石崎駿、先日10連勝した佐賀の鮫島克也などはもちろんJRAのナミ騎手以上。
今JRAで乗る機会のある騎手の名を並べたが、彼らはその実績にもかかわらずJRAの免許試験に合格しないかぎり異邦人騎手として扱われ、ほとんどチャンスのない馬しか回ってこない。
しかし彼らにとってJRA競馬は進上金、騎乗料ともに何倍も違う格差社会、ひとつでも上の着順を目指して一生懸命で、あっと驚く穴につながることが毎週のようにどこかでかならず起こっている。
JRAの騎手会の反発、抵抗で縄張りの中に入ることは難しいが、ファンが納得する騎乗が出来るのはむしろ彼らなのである。
JRAがしなければならないのは外国人騎手より、まず国内の異邦人騎手に向けてのワーキングビザの発給ではないかと思う。
交流重賞で地方から賞金をかっさらったり、控除率を下げて地方競馬の足をひっぱろうとしているのだから、そのくらいのことはしなければ罰があたる。
地方騎手を迎えれば激しい競争がおき淘汰される騎手だって多くなるが、国外の侵攻に抗するには、どうやってでも競馬レベルを上げるしかない。
調教師、厩務員などの問題はまたあらためて。

【高松宮記念】G1
2007年 3月25日 中京11R 発走 15:40
サラ系4歳上/○国際○指/オープン/定量/1200/芝(左回り)

TakamatsunomiyaC.gif

香港、豪州あたりのトップスプリンターの参戦でもなければ、とても国際G1の体面が保てないレースになった。
このレースの1着賞金は9500万円、国際レースではないが3歳クラシックの皐月賞が9700万円、その価値がほとんど変わらないことには違和感しかない。
馬を集めやすい1200メートルの重賞は異常に多いが、国外で勝負になるような馬は育たない。
実質OP特別をGレースと称して馬券を売ろうとしたJRA詐術に無理があったということかな。国際セリ名簿基準委員会(ICSC)の日本のグレードレース呼称に関する勧告を機会に、この路線は“90年以前の格付けに戻すのが妥当である。
JRAの売り上げなど関知するところではないが、いずれ地方の交流重賞のようなお荷物レースになりかねない。

デュランダル引退後、傑出したスプリンターはいない。
昨年の覇者オレハマッテルゼは好調期も長かったがスランプも長い。初ダートの前走フェブラリーSは度外視するとしても復調の兆しがない。左巧者で生き返る可能性も皆無ではないが、昨年以上は望めまい。

昨年の3着馬シーイズトウショウはここがラストラン、中京は4勝している得意コースでコースレコードも持っている。
昨年のセントウルSではスプリターズSを勝ったテイクオーバーターゲットに圧勝したが使うかどうか迷いがあったほどで、スプリンターズS前に崖っぷちの状態だった。
ここは12月の香港以来、鉄砲実績はないが一息入れたのはプラスかと思う。

手薄なメンツということでマイネルスケルツィが出てきた。
1400メートル(阪神C)以下の距離経験はないが先行力が武器の馬、阪神Cでフサイチリシャール、プリサイスマシーンにはわずかに及ばなかったが短距離で通用するスピードは見せている。
その後マイルの京都金杯でエイシンドーバー、サクラメガワンダーなどに完勝。
そのエイシンドーバーが1200メートルの阪急杯でプリサイスマシーンと1着同着、スズカフェニックスには先着している。
左回りに勝ち星はないが、NHKマイルCも富士Sも内枠で出遅れ好位につけるまでに脚を使った。そもそもコーナー2回の短距離戦で右も左もなかろう。

スズカフェニックスも相手を見ての参戦、未勝利ダート戦(1着)が唯一の1200メートルだったが相手が弱いから追い込めた。前走の阪急杯1400メートルが芝で使った最短距離だが、メンバー最速の33秒9で上がりながら3着だった。
1600~1800メートルで33秒台を4度記録しているようにマイラーとしての決め手は鋭いが、長い直線でこそ使えた脚で、中京1200メートルでは位置取りがわかりづらい。距離を意識して先団につけた場合にどの程度の脚が使えるのか。同じように追い込むレースをしたアドマイヤマックスは、高松宮杯を勝つまでに芝の1200メートルを4度使っている。

プリサイスマシーンは8歳馬だが、阪神C2着、阪急杯同着1着と好調だ。芝ダート問わず走る馬で、適距離は1400~1800メートルだが、ごたつきやすいレースで馬込みをさばいてくる根性はメンバー中いちばん。
昨年の高松宮杯は南部杯以来だったが4着、今年のほうがステップは順調だ。
はかではシルクロードS勝って連勝中のエムオーウィナーがもう少しあるかも知れない。冒頭悪態ついたような低レベルレースで食欲は湧かないのだけれど…

結論 イキのいいのは4歳マイネルスケルツィ、雨もこなす

馬連:9=11
   1=9
   9=12
   1=11
   8=9 
  
3連複:9軸、相手11、1、12、8、13、16、3(21通り)

【マーチステークス】G3
2007年 3月25日 中山11R 発走 15:20
サラ系4歳上/○国際○指/オープン/ハンデ/1800/ダート右回り

MarchS.gif

強烈に難しいハンディ戦、6歳にして本格化したビッググラスと茶髪禿げ鈴木康弘厩舎の上がり馬オリンピアナイトが人気を分ける。
ビッググラスはここが30戦目、晩生な馬だったのだろう。
エルコンドルパサー産駒としてはヴァーミリアン、アロンダイトに続くダート優等生、スピードというよりパワー型だったが、脚抜きのよい馬場で行われたフェブラリーSで3着と好走した。

仁川Sで人気だったオリンピアナイトはスローにもかかわらず後方から大外を回り36秒1で上がった。
脚質が追い込み一辺倒なので下のクラスなら通用したが、ここまでクラスが上がるとある程度は展開の助けがいる。
ただし6戦4勝という素質馬で底を見せていない。

57.5キロを背負ったクーリンガーは、ダイオライト記念でキクノアローの2着、暮れの東京大賞典でブルーコンコルドの2着したようにまだまだ衰えがない。
ただ、砂の重い地方競馬場のほうが圧倒的に良績がある。
このレースは一昨年勝っているゲンのいいレース、走っても人気にはならないタイプで穴馬としての魅力は常時ある。

トーセンブライトは昨年の武蔵野S以来、1600万下、OP特別と連勝して重賞に挑戦したがエルムS、武蔵野Sともに自分の競馬はできたが勝ち馬とはかなり差があり、力負けという印象だった。

あとはMFV値で判断してほしい。

結論 フェブラリーSで軽い馬場にも対応できたビッググラスが中心

馬連:13=16
  :3=13
  :7=13
  :5=13
  :4=13

3連複:13軸、相手16、3、7、5、4、1、12(21通り)

2007年03月24日 10:14| 個別ページ

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