ヤツ当たり!この馬が買い! - 樋口榮一
第74回 秋華賞/欧州の名牝を彷彿させるウオッカが強い
ダービー馬が登場する。結果的に3歳牡馬が弱かったとしても、オークスではなくダービーを使ったウオッカ陣営の志は高い。蹄球炎で凱旋門賞こそ断念せざるを得なかったが、栗東で調整されていたので移動禁止は免れた。秋の成長を見込むとこの馬は世代最強。とてつもない牝馬に育つ可能性がある。
ウオッカは20世紀後半の名牝オールアロングを彷彿させる。
オールアロングとは、第2回ジャパンカップ(JC)にフランスから遠征してきた3歳牝馬(当時は4歳)で、JCは後にニュージーランドで種牡馬になったアメリカ産のハーフアイストのクビ差2着だったが、このとき対戦したのが、先日亡くなったアメリカのスーパーヒーローのジョンヘンリーだった。
ジョンヘンリーが走らなかったといってしまえばそれまでの話だけれど、凱旋門賞15着だったにもかかわらず、アメリカの年度代表馬2回、G1・16勝、生涯獲得賞金約660万米ドル(当時の為替レートでは10億円を越していた)というアメリカ競馬史上最強といってもいいような馬にぶつけてきた心意気は高かった。
このオールアロングが本当に強くなったのは、JCの翌年である。
凱旋門賞を勝ち、中1週でカナダのロスマンズインターナショナルを、さらにNYでターフクラシックを、そしてローレルのワシントンDCインターナショナルをそれぞれ中1週で強行突破して北米の芝3冠馬となった。
牡馬に遜色ない逞しさ、ストライドの大きな走法がおぼろに網膜に残っている。
強敵相手に熾烈な戦いを演じたキャリアは後の成長につながる。
【秋華賞 JPNI】G1
2007年 10月14日(日) 京都 11R 発走 15:40
3歳/○混 牝○指/オープン/馬齢/2000/芝

ウオッカはオールアロングより早い時期にその傑出した能力を示した。
牡馬に混じると女の子という春の姿形はオールアロングの猛女イメージからは遠かったが、ダービーは想像以上の強さだった。
桜花賞で直線よれたり、宝塚記念でかかったように、時折気性の幼さをみせていたのは完成途上だったからと思われる。
宝塚記念の敗退は、道悪が大跳びのこの馬には向かなかったということと、折り合いを欠いたことで、さほど気になることではない。
牡馬、古馬の一線級を相手にしたキャリアからすればここはかなり楽な相手で、メンバー中もっともプラス@を感じさせる馬である。
ダイワスカーレットはレース巧者というか、完成度の高い馬で、桜花賞、ローズSともに100%の力を出している。
先行脚質でどこからでもスパートできる安定感とトライアルを無事クリアーしたところがセールスポイントだが、強さというイメージでウオッカに劣り、春から成長したという感じもない。
ローズSはベッラレイアに楽勝したが、主導権を取ってマイペースに持ち込んだ利が大きく、最内の窮屈なところを潜ったベッラレイアと見た目ほど力の差はない。
ベッラレイアのオークスはワンテンポ仕掛けが早かった。
ウオッカ、ダイワスカーレット不在で主役に祭り上げられただけに仕方ないか、競馬に勝ってレースに負けたという内容だった。
オークスもローズSも中団より前で競馬したが、この馬の持ち味は、思い切った待機策かも知れない。
ペースの上がりがちな京都内回りなら剃刀の切れを発揮する場面もあろう。
前走のプラス18キロは気にならなかったが、春よりいささかテンションが高く、BSでややかかり気味。
万全という雰囲気はしなかった。
どんな馬かまったく記憶にないのだが、切れ味ならラブカーナも負けていない。
オークスは大外を回り最速の上がりで3着、紫苑Sは行き所のないような狭いところを矢のように縫った(2着)。
ジョッキーもいい度胸だったが、馬にも傑出した勝負根性がある。
帰厩の遅れたローブデコルテ、関西圏のピンクカメオ、ダイワと勝負あった感じのレインダンスあたりは、よくても3着までだろう。
ダイワスカーレットがいかにも有利な展開になりそうだが、アグネスタキオン×ノーザンテーストのイメージは、ワカシラオキに遡るウオッカのような重厚さはない。
馬単:ウオッカ=ベッラレイア
:ウオッカ=ダイワスカーレット
:ウオッカ=ラブカーナ
3連単フォーメイション(9通り)
1着:16
2着:11.13.5
3着:11.13.5.7
【府中牝馬S】G3
2007年 10月14日(日) 東京 11R 発走 15:35
3歳上/国際/牝○指/オープン/別定/1800/芝

強力な逃げ馬が不在でアサヒライジングが有利な組み合わせになった。
前走札幌のクイーンCが初重賞だったが、その実力は牝馬3冠、米国G1で証明ずみ、遅すぎたくらいといってよい。
この馬もまたウオッカに劣らぬ重厚な牝系、春は重馬場、不適距離で崩れたが、ヴィクトリアマイルで立ち直った。
カワカミプリンセスのいないここはほとんどが見下ろしのメンバー、逃げても先行しても主導権はとれる。
重賞3勝、桜花賞2着、安田記念4着の実績馬アドマイヤキッスが岩田とのニューコンビ、
もう少し走ってもよい。
クイーンSはアサヒライジングのペースで展開が向かなかったのが敗因、3歳時に比べると決め手が甘くなった印象だが、府中の1800メートルは適条件。
成長感はないが、アサヒライジングと勝負あったと見るのも早計かも知れない
ディアデラノビアは米国帰り、初のアウェーのナイターで5着だから走ったという評価はしてよいだろう。
復調すればシーザリオ、ラインクラフト世代のトップクラスだから能力は通用する。
いれ込んでいなければ好勝負だが、乗リ方は難しい。
テン乗りの横山がどう御すか。
昨年は3着だったが、完全に北村の乗りはぐりだった。
デアリングハートが昨年の勝ち馬、ここ2走精彩がないが、ヴィクトリアマイルは2着のアサヒライジングとハナ差だった。
ディアデラノビアと同世代で実績に差異はない。
ヤマニンアラバスタは一昨年の勝ち馬、長期休養後2走して調子を上げてきた。
能力は足らないだろうが状態はいい。
馬単:アサヒライジング=アドマイヤキッス
:アドマイヤキッス=アサヒライジング
:アサヒライジング=ディアデラノビア
:ディアデラノビア=アサヒライジング
2007年10月13日 00:00| 個別ページ
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