ヤツ当たり!この馬が買い! - 樋口榮一
第88回 アメリカジョッキークラブC/騎手を選ばないドリームパスポートが最右翼
ドリームパスポートの関東転厩初戦。
有馬記念の騎手起用をめぐってマツパク(松田博資調教師)とセゾンレースホース(馬主)がもめた。出走投票当日まで騎手が決まらず、結局、厩舎所属で約1年間勝ち鞍のない高田潤の騎乗ということになったが、有馬記念に騎乗のなかった岩田だって頼めたはずだから、勝ち負けを期待したオーナーサイドとしては納得がいかなかったに違いない。
ドリームパスポートは、無事なら昨年ビッグタイトルを取っていたはずの馬である。
勝負に勝ってレースに負けた格好の菊花賞といい、ディープインパクトの2着だったジャパンCといい敗れて強しという印象で、当時はアドマイヤムーンやメイショウサムソンよりも高評価されていた。
昨春骨折して長期休養を余儀なくされ、ジャパンCで再始動、14着と大敗したが有馬記念は変わり身を見込めば争覇圏内の馬だった。
調教師の立場として愛弟子を乗せたいという気持ちは分からないではない。
たしかにこの馬が皐月賞で2着したときは高田だったし、神戸新聞杯でメイショウサムソンを破ったときも高田。
とはいっても有馬記念のような大舞台では、だれが考えたって勝利は遠くなる。
私自身も勝てる状態にまで仕上がっていないのでは? という疑問が生じたくらいだが、馬券を買う立場としては高田でよかった。
勝つ可能性は少ないが配当はつくからだ。
しかし、客を集めなければならないクラブオーナーはそうはいかない。
有馬記念を勝てばその広告効果は計りしれない。
セゾンレースホースについてはよく知らなかったが、前身はジョイサラブレッドクラブという二流クラブ、ドリームパスポートの名義変更は昨年のジャパンCからだが、一昨年セ西武セゾングループのクレディセゾンがクラブを買収して、現3歳でもシンザン記念を勝ったドリームシグナル、2着のドリームガードナーなど期待馬を数多く擁するクラブに成長した。
新オーナーは高田騎手を評価するほど甘くはなかったのだ。
【アメリカジョッキークラブカップ G2】
中山 11R 2008年01月27日
サラ系4歳上/○国際□指/オープン/別定/2200/芝(右回り)外回り

有馬記念のドリームガードナーは最後方からの競馬、3角あたりから上がっていって4角で狭いところを突こうとして下がってきたサンツエッペリンと接触、バランスを崩し落馬寸前だった。
にもかかわらず、そこから使った上がり36秒3の末脚は勝ったマツリダゴッホと同じでメンバー中最速である。
不利がなければ2〜3着はあった惜しい内容だったと思う。
問題は環境替わりだろう。
走らない馬の転厩は、たとえばメイショウサムソンやマルカシェンクのようにうまくいく場合(調教師の引退による転厩で栗東→栗東)もあるが、次走は確勝と思わせるまで状態の上がってきた馬にとって好材料とはいえない。
栗東→美浦で環境の変化は大きい。
楽な相手だから取りこぼしは考えづらいが、稲葉隆一調教師の手腕が問われるところ。
手綱は松岡、先週京成杯を勝ったマイネルチャールズと同じコンビである。
過去16戦で乗った騎手は合計7人、毎回のように騎乗者は替わったが、休み明けの昨年のジャパンCを除いて誰が乗っても走った。
調教師をして高田でも・・・と思わせるドリームパスポートの実力が最右翼。
ドリームパスポートにダービーで先着(2着)したアドマイヤメインが復調気配。
中山コースは3戦3敗だが、敗因ははっきりしていて、逃げなかった(ホープフルS)、状態最悪だった(有馬記念)、6カ月ぶりの実戦で不適距離(ディセンバーS)。
これまでいずれも小回りコースだったが、今回外回りで走りが一変する可能性がある。
青葉賞、ダービー、菊花賞のような速いペースの逃げを打てばドリームパスポートといえども簡単には捕まえられない。
反面、前傾ペースで引っ張れるアドマイヤメインのような強い馬がいる場合、レースは紛れずらいので実力馬が力を発揮しやすくなる。
昨年の阪神大賞典で(3000メートル)ドリームパスポート(2着)とクビ差3着のトウカイトリックは争覇圏内の馬だが、2200メートルは微妙に短い。
今年の2月に引退する松元省一調教師にとってはラストチャンスの重賞だから力の入るところだから幸→蛯名なのだろうが、ピンとくる乗リ替わりではない。
この馬をここまでにしたC・ルメール(今週から関西で騎乗)がベストチョイス、不器用な騎手がテン乗りでこの馬の良さを引き出せるかどうか…
トップハンディを嫌って回避した先週のG2日経新春杯だが、1、2着したのは万葉Sで封じたアドマイヤモナーク、ダークメッセージだった。
軽視はしないがいささかツキがないような気もする。
騎手ならペリエを確保したシルクネクサスに魅力がある。
中山金杯は好位から流れ込む得意のスタイルで競馬したが、逃げたメイショウレガーロとにクビ首差届かず4着だった。
昨年のこのレースの3着馬で、秋のオールカマーではマツリダゴッホと半馬身差2着、中山の2200メートルをもっとも得意とする。
キャリア42戦目の6歳馬で上がり目は疑問だが、中山金杯は若干余裕のある仕上がりだった。
エアシェイディは中山金杯の2着馬、スローペースで先団に有利な競馬だったが追い込んで届いた。
3年前のこのレースで2着したように中距離中心に使われたが、なかなか勝てないのでマイル路線に転向したがマイルでも同様な成績で、前走から再び中距離に戻った。
レースは前に行ったこともあるが、このところ追い込み一辺倒、相変わらず展開には注文がつく。
能力だけは走るが、相手が強化すると足らない。
別定戦なので穴なら上がり馬のメイショウレガーロ、ダブルティンパニー、ブラックアルタイルなどだが、ドリームパスポートを脅かすまで力をつけているとは思えない。
むしろ75週ぶりの9歳馬シルクマーベラスがどんな姿で出てくるか興味深い。
昔のことだが有馬記念3着、宝塚記念2着したことのある実力馬、2年前のこのレースの勝ち馬でもある。
◎ ドリームパスポート
○ アドマイヤメイン
▲ トウカイトリック
△ シルクネクサス
△ シルクマーベラス
勝つ可能性の高いのはドリームパスポートで、わずかに逆転の可能性があるのがアドマイヤメイン、あとは印の順に連対の可能性。
2008年01月26日 16:14| 個別ページ
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