ヤツ当たり!この馬が買い! - 樋口榮一
第92回 フェブラリーS/断然人気の豊・ヴァーミリアンを負かすのは…
ドバイワールドC遠征で期待がかかるヴァーミリアンが登場する。JBC、ジャパンCダート、東京大賞典と3連勝して、川崎記念は取り消したが、飛節炎は軽微なもので、1日休んだだけで運動は再開した。仕上がりに問題はなかろうが、問題は1度しか経験のない1600メートルの距離。人気馬だけに、疑ってみる必要もあろうかと思う。
近年海外での活躍が目立つ日本馬だが、国外のダート戦で目立った馬といえば01年のドバイワールドCで、キャプテンスティーブ(現在日本で種牡馬として供用中)の2着だったトゥザビクトリーくらいしかいない。
トゥザビクトリーはここに出走する12歳ノボトゥルーの勝ったフェブラリーS(3着)からの参戦、ダートキャリアが一戦だけだったのでドバイではノーマークで逃げられた。
もちろんヴァーミリアンはトゥザビクトリーよりもダート競馬では実績がある。
昨年のドバイワールドCは勝ち馬から15馬身差の4着だったが、国内の中距離ダートでは傑出した成績を残している。
ドバイで勝つようなら歴史に残る快挙だが、日本のダート競馬は世界レベルには遠い。
JRAのダートG1はこのフェブラリーSとジャパンカップダートのふたつだけ、芝のG1に比べるとその数も賞金も少ない。
地方競馬の交流G1は数多くあるが、売り上げ低落傾向で賞金は減額され、毎度同じようなメンバーで一列棒状となってゴールするような事が多いのでファンからも見放されて、先行きその存否も問われかねない状況である。
実際に今年から岩手の南部杯が交流G1ではなくなった。
交流G1は出走手当てだけが目当てという能力しかない地方馬がエントリーの過半数以上を占めるためレースはほとんどJRA馬のワンサイド、下級条件馬とオープン馬が一緒に競馬しているようなものでは存続の意義もない。
ここに出ている地方馬もアンパサンド除いてはJRAからの転出馬で、JRA所属だったら出走権はおそらく得られなかったであろう。
いずれにせよ現状のまま、ダートの競走体系を維持することには無理がある。
そんなレベルの競走でいくら好成績をあげた馬でも額面通りの評価はできない。
ジャパンCダートもフェブラリーSも外国馬が参戦できるのだが、外国馬にはほとんど魅力がないレースである。
円高メリットがあって賞金自体は悪くないのだが、前後に脈絡のあるレースがないため、リスクを冒して遠征するだけの魅力がない。
そのふたつは国際G1になったが、米国馬が日本のダートG1勝ったって、JRA馬が地方の交流G1を勝つ程度の意味。
JRAはジャパンCダートの開催地と日程をずらして、ブリーダーズC出走馬の招致をもくろんでいるが抜本的な改革にはなっていない。
話が横道にそれたが、そもそもJRAのダートG1はJRAの売り上げ増進策の一環として水増しされたものでしかなかった。
生産体系を動かすほどのものではなかっただけに、どうしても芝に比べると底が浅く、レースの価値は高くない。
【フェブラリーステークス G1】
東京 11R 2008年02月24日
サラ系4歳上/○国際○指/オープン/定量/1600/ダート

そんなわけだから交流競走ふたつも含めてダートG1・3連勝のヴァーミリアンの成績を過大に評価する必要はない。
全10勝中6勝が地方の2000メートル以上のダート戦、たしかに砂深い馬場での持久力戦は向いているのだろうがJBC、東京大賞典の2着馬はともに船橋のフリオーソだったように相手には恵まれていた。
2年前のフェブラリーSが唯一のマイル戦で、バテず切れず、カネヒキリから離された5着という成績がマイルへの対応力を示しているように思う。
体型的にも脚長で中距離型。
とりわけ強い馬がいるというわけではないので惨敗はないだろうが、不慣れなマイル戦だけに疑ってみたい。
右目の負傷で回避したがダイワスカーレットがこのレースに出走を予定していた。
使えていたらダイワは初ダート、マイルならヴァーミリアン怖れるに足らずというふうに松国調教師が考えたのではないか。
可能性のあるのは中距離では足らないがマイルならというタイプだろう。
根岸Sを勝ったワイルドワンダー、マイル9戦4勝2着2回のブルーコンコルドなど。
根岸Sの勝ちタイムは平凡だがワイルドワンダーの勝ちぶりは悪くなかった。
この馬の力を認識させられたのは昨年のJCDである。
それまで1800メートルまでしか経験したことのない馬にとって2100メートルは明らかに長い。
道中はヴァーミリアンより前でインの5番手、ゴール前300メートル地点で先頭に立ち1F前でフィールドルージュに交わされたがヴァーミリアンから6馬身差の5着に粘った。
マイルなら差はないと思う。
ドバイのゴドルフィンマイルの出走権を得たが、回避してここ一本の狙い。
ブルーコンコルドは昨秋南部杯にワイルドワンダーに勝った後はヴァーミリアンと同じローテションで4、7、5着と敗れたが、距離適性の差。
フェブラリーSは3年連続出走で、一昨年は4着だったがヴァーミリアンには先着、昨年はサンライズバッカスの2着、マイルだとかかるところもなく折り合いがつきやすい。
8歳馬で勝つイメージはないが交流G1・6勝はヴァーミリアン以上。
フィールドルージュはジャパンCダート、川崎記念ともに積極的な競馬で自力で動いた。マイル実績がないので主力には推しづらいが、その一瞬の切れ味はヴァーミリアンを上回る。
メイショウトウコン、ロングプライドあたりは長く良い脚を使うタイプでマイルでは距離足らずというイメージがある。
むしろマイル向きの切れという点では、ここ2走凡走して人気急落のドラゴンファイヤーに注目したい。
流れが向けば無欲の台頭があるかもしれない。
◎ ワイルドワンダー
○ ブルーコンコルド
▲ フィールドルージュ
△ ヴァーミリアン
△ ドラゴンファイヤー
2008年02月23日 12:41| 個別ページ
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