ヤツ当たり!この馬が買い! - 樋口榮一
第104回 優駿牝馬(オークス)/♪Amapola, my pretty little poppy・・・毒芥子でなければいいんだが
桜花賞が終わった時点でオークスの馬券は決めていた。リトルアマポーラである。仕上がりに関していえば桜花賞は文句なしだった。並んで歩いている人気のトールポピーが萎んで見えたのに対して、アマポーラはクイーンCで12キロ減らした体重を8キロ戻して元気一杯。クイーンC時とは別馬に見えた。
450キロとか500キロの馬が10~20キロ増減したって、体重比で考えれば人間の1.5~3キロ程度の増減にしかあたらないので、増減の数字にそれほど神経質になる必要はない。ただしそれに伴って馬体が緩んだり、萎んだり、あるいは気合がない…といった兆候が見えた時はその限りではない。もちろんそのような状態の人気馬が走らないことは多いけれど、なかには勝つ馬もいるのでややこしい。
クイーンCのリトルアマポーラがそうだった。馬券を買うつもりだったのでパドックで見て怯んだ。マイナス12キロで細っこく見えるのはともかくとして、毛艶が悪いし、精気もない。あげくが1番人気。「消し」てしまった。まだしもラルケット、シャランジュ、エフティマイヤなどのほうがよく見えたくらい。ところがインから楽々抜け出したのはリトルアマポーラであった。間違いなく最悪に近い状態だったのに勝ったというのはそうとうに能力が高いからである。
【優駿牝馬 G1】
東京11R 2008年5月25日
3歳/○指/オープン/牝馬/定量/2400/芝

桜花賞の予想は◎トールポピー、○ブラックエンブレム、▲リトルアマポーラとした。
今回はその順番を入れ替えるが、基本的には替えるつもりはない。
トールポピーは桜花賞トライアルのチューリップ賞が先につながる2着という印象だった。馬っぷりも悪くない。迷わず中心視したが、桜花賞のパドックでは細くなっていれ込んでいた。発汗が目立ち、クイーンCのアマポーラ状態に近かった。やらずもがなの前日追いが裏目に出た。何を血迷ったのですかねぇ。
桜花賞の相手が強かったとはいえないが、デビュー戦が490キロだったので、460キロは減りすぎだったのかも知れない。
ポルトフィーノはパンク、ウオッカは勝ちはぐり・・・などこのところつきのない角居厩舎だが、トールポピーには早熟とかマイラーというイメージはない。勝ち負けしてよい能力がある。
繰り返すが前走の8着は力負けではなく調整ミス。全兄のフサイチホウオーは強いのか弱いのかわからないうちに抹消されたが、この馬は兄ほど硬さを感じさせないタイプで末脚の持続力を考えるとマイル戦より府中の中距離戦が向いている。
前走の負けで人気が落ちているのは有り難い。せめて470キロ台で出てきてくれれば頭でも買ってみたい。
リトルアマポーラの敗因は、動けなかったトールポピーをマークしたということに尽きる。トールポピーを倒せば勝てると考えた幸四郎を責めはしないが、あれでは無理心中である。主役馬騎乗では実績がなく、勝つべき馬の3つに2つはしくじるレベルの幸四郎騎手に毎度期待するのはつらいところがあるが、前回しくじっただけに今回しくじる可能性は少ないのではないか。
大外枠で買いづらくなるぶん配当がつくことは間違いない。トールポピーにするかどうか迷ったがリトルアマポーラが◎。桜花賞時の状態さえキープできていれば、距離も大外も雨も関係ない。
ブラックエンブレムは復帰戦のきんせんか賞から中2週でフラワーCを勝ち中2週で桜花賞に臨んだのだが、強行ローテを懸念した小島茂之調教師が桜花賞前に追い切りを行わなかった。負荷をかけて状態を下降させたくないという思惑からだったが、その結果はプラス8キロの体重増が示すようにいささか太目。返し馬で気が抜けたようになり、レースは出遅れて10着だった。桜花賞が視野になかったということではあるまいが、こと桜花賞に関していうなら失敗だったといえる。
ブラックエンブレムが走ることは牡馬の主役級であるマイネルチャールズとクビ差だった葉牡丹賞で証明済みだがフラワーCでも、ここで人気になっているレッドアゲート、穴人気のムードインディゴ、アロマキャンドル、カレイジャスミン、スペルバインドらを一蹴している。常態の調整で臨む今回は桜花賞のようなことはない。
調教やりすぎて動かなかったトールポピーといい、競走馬の仕上げは本当に難しい。
フラワーCでブラックエンブレムとアタマ差2着、オークストライアルを勝ったレッドアゲートは内田博幸騎乗で動いた馬。たしかに内田は能力以上に馬を走らせることのできる頼りになる騎手なんだが、人気背負って逃げたブラックエンブレムと比べると馬は一枚落ちる。ただし東京コースで2走して2400メートルを経験しているのは強みだ。
◎ リトルアマポーラ
○ トールポピー
▲ ブラックエンブレム
△ レッドアゲート
ちかごろアマポーラの曲を聞く機会が多い。キンチョウのCM? 寺井尚子? 沢田研二? ジミー・ドーシーなんてえと俺の生まれた年になる。印象的だったのはワンス・アポンアタイム・イン・アメリカでRデニーロが初恋の女デボラと初デートする場面で流れてたっけ。ちなみに歌詞は以下の如し。
Amapola, my pretty little poppy
You're like that lovely flower
So sweet and heavenly
(後略)
毒花でなければいいんだがなぁ。
2008年05月24日 23:33| 個別ページ
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