ヤツ当たり!この馬が買い! - 樋口榮一
第106回 安田記念/香港のグッドババが世界ランカーの実力を見せる
国際レースとなって16年目。96年、03年を除いてのべ34頭の外国馬が参加して戦績は3勝2着2回3着3回だから、それほど高勝率でも高連対率でもない。当初はゴドルフィンの馬がしばしば遠征してきたが、98年オリエンタルエクスプレスの参戦以来香港からの遠征馬が目立つようになり、05年から急激に増えた。
05年にアジアマイルチャレンジというシリーズが創設され(実施は06年だったかもしれない)、第一戦が豪州のフーチュリティS(3月初)、第二戦がドバイデューティフリー(3月末)、第三戦が香港のチャンピオンズマイル(4月末)、第四戦が安田記念で、この四つのレースに4勝すると400万米ドル(約4億2千万円)、3勝すると200万米ドル、2勝で100万米ドルがボーナスとして付与されることになったからである。
つまり香港のチャンピオンズマイルを勝った馬が安田記念を勝つと100万米ドルのボーナスが入る。もちろんドバイと安田記念でも、豪州と安田記念でも同額貰えるのだが、ドバイ、豪州の勝ち馬が安田記念に参加したことはない。07年のドバイの勝ち馬アドマイヤムーンはボーナス該当馬だったが、安田記念は捨て宝塚記念を使った。
香港のチャンピオンズマイル馬は4年連続の安田記念参戦。香港の馬にとって日本は空輸3時間くらいだから地の利はいいし、施行時期からいってローテションもよい。
チャンピオンマイルズ優勝馬の安田記念の戦績を列記すると05年のブリッシュラックが4着、06年もブリッシュラックでこれは安田記念も勝ち100万ドルを手にした。07年のエイブルワンは12着だった。
余談になるかもしれないが、香港の馬について一言。以降香港馬と表記するが、香港は競走馬の生産をやっていない。競走馬のほとんどは南半球生産馬か、米国産、欧州産のせん馬である。転売されるようなことがあればわからないけれど日本産馬はたぶんいない。値段が高いわりに走らないと思われているせいか、香港からのバイヤーなど馬産地で見かけたこともない。ただし競馬レベルは高い。
今年香港馬はチャンピオンマイルズ1〜3着馬が出走する。安田記念の鍵は香港馬の取捨といっても過言ではない。
【安田記念 G1】
東京11R 2008年06月08日
3歳上/オープン/国際/定量/1600/芝

昨年は香港馬とダイワメジャーの組み合わせを買ったら、コンゴウリキシオーに逃げ粘られた。いれ込んでいたコンゴウリキシオーが3番人気と意外に売れていたのと、絡みそうな香港馬エイブルワンが出ていたこと、ダイワメジャーが先行タイプ、そんなわけでコンゴウリキシオーをノーマークにして失敗した。
それが今年は逃げイチである。ところがマイラーズCから直行した昨年とちがって、今年は名古屋と浦和のダート1400メートルに寄り道した。名古屋は勝ったが、浦和は出遅れてハナも切れず自分の形に持ち込めなかった。惨敗連闘をアリバイ工作とみるかどうかは別として、逃げ馬はノーマークになったときほど仕事はしやすい。
香港のグッドババが強そうだ。昨年はチャンピオンマイル5着からの転戦で安田記念は7着、といってもダイワメジャーからコンマ5差だから大敗したわけではない。香港でシーズンオフを過ごし、昨秋以降が6戦5勝2着1回、目下5連勝中で国際G㈵・2勝、昨年12月にはキャセイパシフィック香港マイルを、この4月にはチャンピオンマイルでアルマダ、ブリッシュラックを下した。
リプレイを見た限りではアルマダ、ブリッシュラックが一杯だったのに対して外を追い込んだこの馬にはまだまだ手応えがあった。このレースのタイムは1分33秒5、沙田のマイルとしてはかなり速いし、1番人気で昨年のエイブルワンのようにフロック勝ちではない。100万ドルボーナスには限りなく近いと思う。
成績を紹介すると26戦13勝、そのうち8勝がマイルというスペシャリストある。1200メートルや1400メートルから安田記念目指す日本馬よりローテがよさそう、逆に日本馬がアジアマイルチャレンジの切符を目指して香港に乗り込んだらいい。アドマイヤムーン、ウオッカなどはドバイには行ったのだが…香港はあまり人気がない。今年はマイネルシーガルが遠征したけれどどん尻だった。シーガルでは物差しにもならない。
ちなみにグッドババの国際レーティングは122で世界5位。安田記念出走馬はアルマダ、スーパーホーネットが118、スズカフェニックス117、ウオッカ116、ブリッシュラックとコンゴウリキシオーが115である。
アルマダは7歳馬だが14戦しかしていないのでまだ天井は高いかもしれない。マイルは7戦4勝2着3回、短期免許で夏季の来日が決定している香港リーディングJのダグラス・ホワイトが乗る。遠征経験のないのはマイナスだが好勝負はできそう。
クルーズ調教師が「熟成したワインのごとし」と喩えたブリッシュラックはせん馬9歳、キャリア58戦の古豪で一昨年の勝ち馬、勝ち負けは厳しいかもしれないがこれが3度目の来日、コンゴウリキシオーくらいの評価はしたほうがいいのかもしれない。
日本馬にとっては厳しい戦いになった。スーパーホーネットは昨年のマイルCSがダイワメジャーにクビ差2着。その後なにを思ったか高松宮記念を8分程度で使って5着、京王杯SCはスズカフェニックスなどに圧勝した。1400ベストって感じでまだまだとてもダイワメジャーの域には達していない。スズカほど他力型ではないが、ダイワほど地力タイプではない。
スズカフェニックスは高松宮記念が福永で出遅れ、京王杯SCは武豊がため殺し、ともに3着だった。この馬も阪神C、阪急杯など短距離志向、マイルがベストディスタンスかどうかはっきりしない。
スーパーホーネットやスズカフェニックスならウオッカかもしれない。細化懸念で軽視したヴィクトリアマイルでどうにか連対できたということは相手が弱かったからといえる。スーパーホーネットやスズカフェニックスだって去年の春あたりはウオッカと一緒の競馬に出られるような強い馬には思えなかった。中2週でどこまで膨らませているかだが、豊よりは前で攻める岩田に合っているかもしれない。
人気は香港マネーが入った時点でどう変わるかわからないが、土曜日の午後2時現在ではスーパーホーネット、スズカフェニックス、ウオッカが人気上位。グッドババは差のない4番目。
◎ グッドババ
○ ウオッカ
▲ コンゴウリキシオー
△ スーパーホーネット
△ アルマダ
◎からの4点が思ったより高配当である。
2008年06月07日 16:53| 個別ページ
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