ヤツ当たり!この馬が買い! - 樋口榮一
第107回 エプソムC/馬場の内目を先行できそうなイクスキューズが穴
府中、中京ともに最終週。来週の函館、福島、阪神から2歳競馬が始まり、クラス編成が替わって3歳古馬混合レースがスタートする。勝たなければ降級するような人気馬もいるので、使う側の思惑を考えたほうがいいが、降級したからといって除外ラシュの続く1600万下の条件戦に出走できる保障はない。レースの数も少ないので、昔ほど勘ぐる必要もないのかもしれない。
降級によって効率良く着賞金を稼ぐ、つまり勝ちたくない出走があるかどうかということについては、はたで見ている限り企図しても意味ないことのように思う。
除外も大きな理由だが、G3くらいの重賞だとハンデ戦ならずとも2クラス下の1000万条件の馬でも勝つことがある。OPといってもそれほど層が厚いわけではない。勝てる状態のときに着拾いなどしているとそのうち調子が下降したり、手抜き走法を覚えたりする。馬は人の思惑通りには動いてくれない。1勝するということが簡単でないことはだれでも知っているのだが、能力上位の馬にとっては2着×3>1着という賞金体系だから、馬ではなくて人がそういう効率を考えがちである。実際1000万下くらいの馬で本賞金1億円以上、一見馬主孝行な馬はいるが、たぶんそのタイプは勝つ気ならもっと出世しているような気がする。降級の利というのはどれほどあるのか。
【エプソムカップ G3】
東京11R 2008年06月15日
3歳上/○国際□指/オープン/別定/1800/芝

このレースではヒカルオオゾラ、ファストロックなどが降級該当の人気馬。調教師も騎手もしたたかだけに取捨は難しい。池江泰、藤沢和などは馬をいつでも勝たせられるという自負心が強い。実際には自分たちで考えているほど勝てるわけではないのだが、コメントなど見ると強気一辺倒。
ヒカルオオゾラの池江泰調教師は、「秋にはマイル路線のトップと戦えるぐらいのレベルに達する。今後のために賞金を上積みしたい」と勝ち負けをほのめかせば、藤沢和厩舎の番頭の葛西助手は、「重賞でも楽しみ。デキは万全だ」と負けてはいない。
お得意さんである馬主の懐を忖度すれば3着くらい拾って(2着だと賞金加算され昇級)、次走勝つというあたりがいちばんいいのかもしれないけれど、決してそういう物言いはしない。どちらも馬主には高い馬を買ってもらっているだけに、弱音を吐くわけにはいかない。騎手もバリバリで武豊と安藤克己を起用する。この手の馬は能力以上に人気になりがちで、4頭中3頭くらいは消える。たとえば藤沢さんがダービーで吹きまくったトゥザビクトリーの半弟のクリスタルウィングは内田博幸を頼んで7着だったし、ニューヨークに連れていったカジノドライヴはざ石で出走すら出来なかった。なかなか思うようには運ばないのが競馬なのである。
ウオッカの圧勝した安田記念から判断すると、東京の芝コースは相変わらず内が伸びて外差しはきかない。荒馬場だが内寄りの路盤が堅い。逃げ馬にしても差し馬にしても、インを通る馬が有利になる。
枠番から判断すると先行力あるイクスキューズが有利。もともと藤沢和厩舎所属馬だったが前走から鹿戸雄一厩舎に転厩した。藤沢さんが追い出したのか岡田さんがもって出たのかわからないが、昨年夏に札幌のクイーンSで好走以降スランプだった。このところ3戦続けて掲示板を外しているので、あまりに評価が低いが、3歳時クイーンCを勝ち、フローラS3着と好走したのは府中コースだった。馬場の内目を確保できる4番枠は、強力な同型馬がいないので有利。ダイワスカーレット、ウオッカ世代の桜花賞の5着馬だから力がないわけではない。
追い込み型だが昨年の2着馬ブライトトゥモローにもチャンスはある。内ラチ沿いが開くかどうかだが、乗り替わった吉田豊騎手はときに思い切ってインをつくタイプ。ダイワスカーレットからコンマ3秒の産経大阪杯で復調したかに見えたが、前走新潟の高速馬場でスローにはまり脚を余した。復帰後4戦目、昨秋の走りからすれば争覇圏の走りはするはずだ。
枠番は真ん中より外だが、トーホウアランは3歳時に京都新聞杯と中日新聞杯を勝った。重賞2勝はメンバー中で実績最上位だ。1年2ヶ月という長期休養を挟んで今回は復帰4戦目、まだ勝ち星はないがいずれも勝ち馬からはコンマ4秒以内と堅実に走っている。
イクスキューズ、ブライトトゥモロー、トーホウアランの3頭はいずれもヒカルオオゾラやファストロックよりも実績がある。昨年の中日新聞杯勝ち馬サンライズマックスや東京得意のマイネルキッツが入着級か。ヒカルオオゾラやファストロックは人気次第。
◎ イクスキューズ
○ ブライトトゥモロー
▲ トーホウアラン
△ サンライズマックス
△ マイネルキッツ
△ ヒカルオオゾラ
【CBC賞 G3】
中京11R 2008年06月15日
3歳上/○国際□指/オープン/ハンデ/1200/芝

年末から6月に開催時期が変わって今年で3年目だが、今開催の中京は例年とちがって時計が速い。昨年、一昨年は馬場が重、やや重だったせいもあるが1分9秒1、1分9秒0、5月末のテレビ愛知OPが1分7秒5の決着だったのでおそらく1分8秒そこそこだろう。差し、追い込みも利く馬場だ。
同じ良馬場なら上位馬がそろって参戦してきたテレビ愛知OPの再戦だが、今回はハンデ戦。テレビ愛知OPの上位馬はそれぞれ10番人気、5番人気、11番人気、あてになるとは限らない。
連勝を狙うトウショウカレッジはテレビ愛知OPは前残りの競馬で不向きな展開だったが、直線向いて10番手の位置から差し切った。57キロはトップハンデだが前走から据え置き、ひと叩きした上積みもあるのだが、休養前重賞では凡走続きだっただけに簡単には信じられない。
ワイルドシャウトはタイム差なしの2着。岩田騎乗で人気になるのだろうが、前回逃げたタニノマティーニはじめ、好調ウエスタンビーナス、前回立ち遅れたカノヤザクラ、逃げられなかったニシノプライド、別線からナカヤマパラダイスなどが加わって先行争いは激しくなる。
上位馬でハンデ有利になるのは4着のスピニングノアール、前走より2キロ減で、昨年よりは1キロ軽いが、それだけ走っていなかったということにもなるわけだから、これまた疑ったほうがいい人気馬である。
キョウワロワリングは中団から差して届かず5着だった。昨夏北九州記念を52キロの軽ハンデで勝ち、今春の高松宮記念が0秒3差の6着だから重賞の実績はメンバー中でも上位。
連勝中のウエスタンビーナスは、前々走エイジアンウインズ、前走アイルラヴァゲインと強敵を破った。郷原騎乗だし、展開も厳しそうだが、勝ちぶりには余裕があった。うまく番手にでも嵌れば。
前走大敗したカノヤザクラは、出遅れて流れに乗れなかった。5分のスタートなら巻き返しは可能。
穴はダート戦で素晴らしい切れ味を見せるスリープレスナイト、芝は昨年の1月以来で3戦目だが、新馬初戦がハナ差の2着、未勝利戦3着だからだめと決まったわけではない。たいして強いとは思えない2流のスプリンターが相手、展開もこの馬に向きそうだ。
先行馬の中では外で流れに乗れそうなナカヤマパラダイス、前走しくじりのカノヤザクラともども注目したい。
◎ スリープレスナイト
○ キョウワロアリング
▲ カノヤザクラ
△ ナカヤマパラダイス
△ トウショウカレッジ
2008年06月14日 17:37| 個別ページ
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