ヤツ当たり!この馬が買い! - 樋口榮一
第108回 マーメイドS/ダイワスカーレット、ウオッカに次ぐ4歳牝馬ベッラレイアには通過点
誕生日がくると還暦を迎える山本一生さんが、このほど「日本エッセイスト・クラブ賞」を受賞した。「恋と伯爵と大正デモクラシー」、—有馬頼寧日記1919—がサブタイトル。(日本経済新聞出版社刊)一生さんとの付き合いは12〜13年くらいになる。当時の私は売れない競馬季刊誌「プーサン」の編集長。彼は狭い範囲でしか認知されたことのない「競馬史研究家」であった。
受賞作は競馬とは関係ないノンフィクションで、昭和前期の華族政治家である有馬頼寧(有馬記念の創始者でもあった)の日記をもとに大正、昭和の断面を描いたものである。まったく競馬を離れたものとしては初めての著作で、5年前くらい前に版元について相談を受け文春を紹介したことが懐かしい。直してほしい、直したくないなどというやりとりがあって、結局本人の意で文春は却下した。それがよかったのかどうかはわからないが、知り合った当時お願いしたのは以下のような話だった。
「世界の名だたる血統研究家が分析したサンデーサイレンスの価値」
「ダンシングブレーヴの真実 —80年代欧州最強馬の種牡馬価値」
「海外競馬書を渉猟する」
「サンデーサイレンスは二度復讐する」
当時作った単行本に「ああ、あたしのトウショウボーイ」がある。競馬叙情・・・
彼は競馬史研究家であるが血統にも造詣が深い。毎号テーマを何にするかということを餌に連日酒ばかり飲んでいたように思う。
結局版元と私のそりがあわず、一生さんはじめ執筆者の方々のご協力を得て99年4月に月刊雑誌の「書斎の競馬」(飛鳥新社)を刊行する。この本は14号出たが売れ行き不振で廃刊となった。創刊号を引っ張りだすと「競馬学シリーズ ブロードウェイの競馬狂」が彼の手による。デイモン・ラニアンの短編についてのエッセイで、あらためて読んでも鮮度は高くおもしろい。同シリーズは十四回続いた。
「日本エッセイスト・クラブ賞受賞作」のついでに、彼の競馬に関する代表作である「競馬学への招待」(筑摩書房、平凡社)をお奨めしたい。この本は、競馬場に行ったことのない人でも競馬場の風を感じることができるという優れもの。たまには馬券を離れた競馬で愉しむのも悪くない。
一生は(もう面倒だからさんはつけない)これまで競馬場に出かけたことは10回かそこら。何千回も行っている私よりはるかに深いところを探し出して愉しんでいる。書店、WEBで見つけたらぜひ読んでください。馬券がうまくなるかどうかはわからんが、競馬が愉しくなることは請合います。
【マーメイドS G3】
阪神10R 2008年06月22日
3歳上/牝/○国際□指/オープン/ハンデ/2000/芝

12頭だてのハンデ戦。はっきりいってかなり力の差がある一戦である。オッズは1番人気がベッラレイアで2.1倍。2番人気ザレマが5.9倍、3番人気ブリトマルティスが6.9倍、レインダンス8.4倍、ソリッドプラティナム8.7倍と続く。大体MFV評価と似たような順位である。サンレイジャスパーが47Wぶりで難波剛健だから人気がないくらい。
安田記念でウオッカが1年ぶりの復活勝利。あらためて4歳牝馬の強さを証明した。ベッラレイアは同世代の4歳馬、昨年のフローラSの勝ち馬で、オークス、ローズSで2着。4歳世代でも上位の1頭だ。秋華賞以降31Wぶりのヴィクトリアマイルはいれ込みがきつく、かかっり気味に先行して早々と失速した。エイジアンウィンズはともかくとして相手がウオッカだったのだから仕方ない。トップハンデといっても56キロなら負けられない。折り合っていけばいちばん鋭い脚を使う。
重賞勝ちのないザレマだが、前々走の福島牝馬Sと3走前の京都牝馬Sで勝ち馬と0秒1差、前走は不適距離の1400メートルだった。マイルでも長距離でもない中距離の先行力が武器、1800〜2000は適距離だ。阪神2000芝ではOP特別忘れな草賞を勝った。
ブリトマルティスは上がり馬、1000万下、1600万下を連勝した。武豊騎乗で人気が加乗されるので妙味はないがザレマあたりとはさして差がないかもしれない。
レインダンスは今年に入って大敗続きだが、3戦とも1600〜1800メートル。距離不足だったかもしれない。今回は距離2000メートル、相手もベッツラレイア除けば楽になった。
ソリッドプラチナムは1600万条件だが、一昨年48キロの軽ハンデでこのレースを勝った。昨年はディアチャンス、サンレイジャスパーに続く3着。烏丸Sを叩いての参戦、コース、距離得意で侮れない。
このレースで2年連続2着のサンレイジャスパー。夏馬の代表のような馬で、昨夏は牡馬相手に小倉記念優勝。一昨年は新潟記念2着とこの時期に調子を上げる。今回は小倉記念以来11カ月ぶりの実戦で、復帰に手間取ったが・・・
◎ ベッラレイア
○ ザレマ
▲ サンレイジャスパー
△ ブリトマルティス
△ ソリッドプラチナム
◎からサンレイ、ソリッドなどなら配当がある。あるいは◎差して届かずという組み立てをするつもり。一生なら何を買うんだろうか。
2008年06月21日 23:18| 個別ページ
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://crossroad-kbp.sakura.ne.jp/mt/mt-tb.cgi/327
So What |
| 山口冨士夫 著 |
![]() |
| 伝説のロックバンド、村八分、ティアドロップスのギタリスト、山口富士夫の著書として、長年の間、ファンが血眼になって探してきた激レア本が、装いも新たに復刊!法政大学の学祭・いのちの祭りと、未発表ライブ映像を満載した特典DVD付!幾多のバンドを渡り歩いてきた孤高のロッカーの魂がここにある! 大好評発売中! |
村八分 |
| 山口冨士夫 著 |
![]() |
| かつて日本のロック界を、すさまじい速度で駆け抜けたジャパニーズ・ロックの先駆的バンド村八分。そのギタリストであった山口冨士夫が、 「村八分」を語り下ろし。ロックファン待望の書!中島らもの書き下ろし小説と新しい音源から採集したベスト8曲入りのCD付!大好評につき、再度の大量増刷決定! 大好評発売中! |
筋肉少女帯自伝 |
| 大槻ケンヂ・橘高文彦・ 本城聡章・内田雄一郎 著 |
![]() |
| 遂に待望の復活を宣言した筋肉少女帯。前身、ドテチンズ結成から、ナゴムでのブレイク、武道館公演、人気絶頂期の活躍ぶり、突然の活動凍結の理由、8年間の沈黙を打ち破る再始動に至るまで…。大槻ケンヂをはじめ、公式メンバーが筋少のすべてを語り尽くしたファン垂涎の書が刊行!激レアな未発表音源を収録したCD付! 大好評発売中! |


