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ヤツ当たり!この馬が買い! - 樋口榮一

第116回 クイーンS/夏馬エフティマイアが平たん小回り向き

 JRAに久々にアイドルホースが現われた。白毛のユキチャン。まさにスノーホワイトと言ってよく、全身が白い毛で覆われ肌色も白い。サラブレッドの毛色は鹿毛、黒鹿毛、青鹿毛、栗毛、栃栗毛、芦毛、青毛などが一般的で、これらと比較すると白毛の出現率は稀である。

 日本では1979年に生まれたハクタイユーが白毛第一号。話題にはなったが未勝利のまま引退し、引退後は北海道の平取の神社で神馬になった記憶する。
 その後ユキチャンに至るまで血統登録された白毛馬は20頭、サラブレッドは年間約8千〜1万頭くらい生産されるので白毛馬が生まれる確率は1万分の1もない。競馬場でも滅多に見ることはできない。とはいうものの白毛が希少種だからアイドルとなったわけではない。
 顔付きが可愛らしく水準以上に強い。加えてネーミングの妙がある。父クロフネ(芦毛)、母シラユキヒメ(白毛)の子がユキチャン。ひとつ上の全兄にホワイトベッセルという3勝している白毛馬がいるが、とりわけ人気があるわけではない。名が体を表わしているからこその人気なのである。それにしてもディープインパクトで知られる金子真人さんは名前をつけるのがうまい。安直な冠馬名が多いなかで、それらしい命名をする数少ないオーナーの一人である。
 人気が出たのは3走前のミモザ賞を勝ったときだと思う。偶然その場に居合わせたのだが、真っ白な馬体が真っ先にゴールを駆け抜けたとき背筋がゾクっとしたことを覚えている。レースは500万下の特別でクビ差だったが、勝ちぶりが絵になっていたのである。 その後白毛馬としてはじめて重賞(川崎の関東オークス)を勝ち、力のあるところを示した。

【クイーンステークス G3】
札幌9R 2008年 8月17日
サラ系3歳上/オープン/別定/牝/1800/芝(A)

queens2009.gif

 そのユキチャンが前日段階で単勝1番人気。連勝とか3連単では5番目くらいの人気なのだけれども、馬名入りの単勝馬券が人気を呼んでいるのかもしれない。ミモザ賞は芝の2000メートルだったが、未勝利戦、重賞勝ちがダートだったようにどちらかといえば父に似た力馬、全兄のホワイトベッセルも3勝すべてダートである。狙っていたのは道営旭川のブリーダーズゴールドカップだったが賞金不足で方針変更を余儀なくされた。レコード出るような高速馬場は有利ではないが、先行粘り込みという場面も考えたほうがいい。
 今年は桜花賞1、2着馬が揃って出走する。13頭(1頭取消)中8頭が3歳馬。データからは、過去に3歳が勝ったのは03年のオースミハルカだけだが、それほどの大駒が出たことがないだけのことで気にすることもなかろう。

 桜花賞馬レジネッタの桜花賞はフロックのような印象があったが、オークスは直線でトールポピーの内斜行でいちばん大きな被害を受けながら3着と好走した。アクシデントがなければ勝っていたといってもいいレースだった。かぎになるのは高速馬場対応力、桜花賞もオークスも時計からするとたいしたことはない。前残りになりがちな札幌1800メートルでどの位置につけるか。桜花賞、オークスともに脇役だからこそ思い切った競馬ができた。主役としてどうかというあたりが一抹の不安。

 桜花賞、オークスともに2着と健闘したエフティマイアは昨夏デビュー以来3連勝、新潟2歳Sを勝ったが、その後5戦していいところなしで、15番人気と評価を落とした桜花賞で生き返るとは思ってもみなかった。馬体もデビュー以来最低の420キロ。細化を懸念してノーマークにしたオークスも先行してしぶとく粘り、あわや勝ちかという場面もあった。今さらこのタイプの馬に飛びついて沈まれでもしようものなら目もあてられないが、平たん小回り馬場は得意。レジネッタより前で競馬できそうだし夏には強い。

 今年は古馬で骨っぽい馬がいない。ヴィクトリアマイルで離された4着のヤマニンメルベイユが3番人気。重賞で安定した成績を残すようになったが、高速馬場向きのイメージはない。先行してどこまでという感じで、このあたりが馬券の対象になれるならユキチャンでも好勝負になろう。

 穴は逃げ先行馬。3歳馬が参戦するようになって9年経つが逃げ馬が5勝、四角3番手以内が3勝だから、直線向いて主導権の取れる馬が圧倒的に有利。残れるかどうかは同型の出方次第だが、おそらくデヴェロッペがレースを引っ張る。レジネッタ、エフティマイアの位置取りいかんではノーマーク…なんてこともあるかもしれない。


◎ エフティマイア
○ レジネッタ
▲ ユキチャン
△ デヴェロッペ
△ ヤマニンメルベイユ

2008年08月16日 18:22| 個別ページ

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