ヤツ当たり!この馬が買い! - 樋口榮一
第119回 新潟2歳S/新馬で渋い勝ち方をしたゴールドスパークラルの完成度が高い
残暑お見舞い申し上げます。先週のメインはアルコセニョーラとタニノマティーニが勝った。ともに頭の片隅にもなかった16番人気馬である。予期出来ない顛末でもほとんど説明出来る自信があったのだが、この2頭の勝因がいまだにわからず困っている。暑さのせいか? いやはや夏競馬には納得がいかないレースが多い。
夏のラストはキャリア1〜3走の2歳重賞。まれに将来を見込める素材の出走もあるが、要求されるのは完成度である。夏の2歳重賞(新潟2歳S、函館2歳S、小倉2歳S)の好走馬で先々に大成した馬は皆無に近い。
新潟2歳Sは1200メートルから1400メートル、7年前から距離が延びて1600メートルとなり、1800メートルの「札幌2歳S」とともにクラシックへの登竜門という意味を付与されたが、桜花賞、オークスで2着だった昨年の勝ち馬エフティマイアが唯一の例外。ゴールドアグリ、ショウナンタキオン、マイネルレコルト(2歳時朝日杯FS勝ち)、ダイワバンデッド、ワナ、いずれも3歳以降は重賞で連対したことがない。高額馬、良血馬など高素質馬のデビューは大体秋から冬が相場、このクソ暑い時期に下ろされるのはマイネル○○のような早熟タイプ、たとえタイトルとったとしても後ののびしろは期待しないほうがよい。
【新潟2歳ステークス G3】
札幌11R 2008年 9月7日(日)
サラ系2歳/オープン/馬齢/(混合)/(特指)/1600/芝/外

コーナー2回の外回り1600メートル、2歳馬にとっては過酷な条件でスピードだけでは押し切れない。よほど緩いペースに持ち込まない限り逃げる馬にはつらい。降雨で外差し傾向が出てきた新潟コースだけに、外を差せそうな馬が狙い。マイル以上の距離経験があればなおよい。
人気に関しては過去6回で1番人気馬は3勝、2番人気馬は1勝2連対だから、人気馬が連対する可能性は低くはない。昨年2着のシャランジュ(16番人気)、一昨年2着のマイネルーチェ(11番人気)のような不人気馬の激走もあるが人気サイドは軽視できない。
勝ちっぷり、時計の優劣など数少ないデータから判断すると、人気になりそうなのは1週目の新馬(芝1800メートル)で1、2着したマッハヴェロシティ、ガンズオブナバロン、阪神外回りの1600メートルを2度経験しているセイウンワンダー、マリーゴールド賞(1400メートル)2着のバンガロール、小倉の1200メートルで出遅れ最後方から桁違いの脚を使ったカヴァリエ、良血ダイワバーガンディあたり。
新潟1週目の新馬はマイルと同じ外回りコース。スローに落として絶妙のペースで逃げる内田ガンズオブナバロンをマークした善臣マッハヴェロシティが抜け出した。勝ちタイムの1分50秒0は平凡だが、上がり33秒1は悪くない。近親にマイルのダート王となったメイショウボーラーがいる。
ガンズオブナバロンは中1週の未勝利戦(1800メートル)を1分47秒4でレコード勝ち、時計の出やすい馬場だったとはいえ、初戦のタイムよを2秒7詰めた。募集価格1億2千万円というノーザンファーム産の高馬でディープインパクトの甥にあたる。3歳クラシックは眼中にないと公言し、よその厩舎よりデビューを遅らしがちな藤沢厩舎がこの時期から使い出すのは珍しい。名伯楽は例によって強気だが、値段ほどの馬ではないと考えているのかもしれない。ノーマークには出来ないが疑ってみる手もある。前走が善臣に替わったのは内田が騎乗停止期間中だったため。勘ぐることはない。
セイウンワンダーは今年4月中山競馬場で行われたJRAブリーズアップセールで2730万の最高値のついたJRA育成馬、デビュー戦では小倉2歳Sで有力視されるツルマルジャパンのコンマ1秒差の2着と敗れたが、2戦目は2着以下を6馬身ちぎった。阪神外回りのマイルを2度経験しているところが強み。
バンガロールはマリーゴールド賞でツルマルジャパンとコンマ2秒差の2着だから、ツルマルを物差しにするとセイウンコマンダーと差はなかろう。この馬はセレクトセールで2100万円だった。値段もセイウンとあまり変わりない。ただし距離経験は1400メートルまでしかない。
以上あげた馬の脚質は自在。それぞれ先行した馬だが控えれば差す脚もある。内田、岩田など手錬の駆け引きが見物。
1200メートルしか使ったことのない馬ではカヴァリエとダイワバーガンディにチャンスがありそう。カヴァリエは出遅れたあげくに4コーナーで外に振られたが、不利もなんのそので楽々と差しきった。半兄のサブジェクトは気の悪い馬だったが、この馬のレースぶりにも似たような印象を受ける。
ダイワバーガンディは追い込んで福島の新馬戦を勝った。吉田隼人騎手がノシつけても前に行こうとしなかったのだからずぶい。追走が楽になるマイル戦ならその切れ味は威力を増すかも知れない。叔父にダイワメジャー、叔母にダイワスカーレット、血筋は折り紙つきである。
ゴールドスパークラルは父ステイゴールドに似てこぶりな馬だが直線3〜4度くらいつっかえながら馬群を縫った。強いというよりは渋い勝ち方である。ダイワ同様にずぶく、1800メートルでも行く素振りを見せなかったが勝負根性は群を抜く。将来性はわからないが現段階での完成度は高い。重で蛇行しながら33秒9の上がりがその裏付け。
◎ ゴールドスパークラル
○ セイウンワンダー
▲ ガンズオブナバロン
△ バンガロール
△ マッハヴェロシティ
2008年09月06日 19:05| 個別ページ
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