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ヤツ当たり!この馬が買い! - 樋口榮一

第121回 ローズS/人気は差し馬でブラックエンブレムの先行力に期待

 オークス馬トールポピー、桜花賞馬レジネッタといったクラシックホースが顔を揃える。秋華賞トライアルだが本番との賞金差を考えればガチ勝負といってよい。ただし主役はともに差し馬で昨年のダイワスカーレットのような絶対感はない。

 ローズSの1着賞金5200万円は秋華賞の8900万円に及ばないが2着の3600万円よりは高額である。狙ったレースを勝てるほど能力があるならともかく、大蛇行しながらなぜか降着にされなかったトールポピーや、クイーンSでヤマニンメルベイユを捕まえられなかったレジネッタにとって秋華賞より目先のトライアルに全力投球だろう。牡馬牝馬ともに今年の3歳は傑出馬がいない。
 舞台は阪神コース改修で昨年から1800メートルの外コースに替わった。(一昨年までは2000メートル)テンが速くなれば差し馬有利だが、直線が長いのでスローになりがちな距離。良馬場だと中位の馬が勝つケースが多いが、馬場が渋ると逃げ・先行馬が有利となる。昨年は先行差しを得意とするダイワスカーレットがかかり気味に逃げ切ったが、トールポピー、レジネッタともに前で競馬したのは2歳時で、このところ中団か後方からの差しが勝ちパターン、牽制しあうようなことになると前残りが穴パターンとなる。

【ローズS G2】
阪神10R 2008年 9月21日(日)
サラ系3歳/オープン/馬齢/牝/1800/芝/外

roses2009.gif

 先週の秋華賞トライアル紫苑SはフローラSの勝ち馬でオークス2番人気6着のレッドアゲートが断然人気だったが、直線中を割った1000万条件の格下馬モエレカトリーナに抜けられ、逃げたデベロッペすら捕まえられなかった。仕上がりは悪くはなかったが、前々で攻めず直線大外に出したのが敗因。紫苑Sは1着賞金1900万円だから重賞勝ち馬で賞金的には出走安全圏のレッドアゲートにとってなにがなんでもというレースではなかった。
 オークス以来久々で動けなかったいうより本番への試走という感じ。それにしても勝たなければいけない相手だったことはたしかで上下差のない世代ということを確認させられた。
 
 トールポピーはオークス以来の一戦。過去に2度鉄砲を決めたように休み明けは減点材料にはならない。唯一馬券圏外だった桜花賞では10キロ体重を減らし見るからに細くいれ込んでいた。オークスは2キロ増で戻りきっていなかったが、いれ込みはぎりぎりセーフというところ。大成しなかった全兄のフサイチホウオーよりはよほどスマートな馬だが気性に課題のありそうなところは似ているかもしれない。
 問題は1番枠ということか。2番枠だったチューリップ賞では中団より前にいたが逃げるエアパスカルの術中にまんまと嵌った。馬群の中か外から追い込んだほうが持ち味が生きるが、前回の大斜行があるので1番枠からでは思い切った待機策は取りづらかろう。今回は10〜20キロ増が理想的。能力は争覇圏内だが…

 レジネッタは12番人気の桜花賞で勝ち、オークスは5番人気で3着だった。人気以上に走る。オークスではトールポピーより後方からレースを進め、ゴール前伸びかかったところをトールポピーに内に寄られて行き場をなくした。オークスのパドックではかなり目立っていたほうで状態だけならトールポピーよりよく見えた。復帰戦の札幌・クイーンSではヤマニンメルベイユに逃げ切られたが2着は確保した。展開のアヤもあったがレジネッタより斤量の2キロ重いG3級の馬に逃げ切られたのは物足らない。

 ブラックエンブレムは2頭に比べて実績は落ちるが、桜花賞は輸送による消耗を見込んで中間時計を一本も出さない小島茂之調教師流臨戦だったが結果は裏目に出た。オークスはマイナス16キロでいれ込みと発汗が目立った。完調ではない状態で直線先頭という場面もあり4着に頑張った。3走前のフラワーC(中山1800メートル)は中盤からペースを上げて押し切ったように粘り強い先行力が武器。手の合いそうな岩田を確保できたのは大きい。今回は坂路と本馬で時計を出した。休養明けは2戦2勝。逃げ馬はエアパスカルとダイワスピリット、どちらもスローで逃げたがるタイプで先行争いがあるかどうか。やりあったら好位からの抜け出し、スローなら4角先頭、流れがどうなっても競馬はしやすい。

 いれ込み馬だが距離に懸念のあったオークスで折り合いつけて後方から競馬したオディールが能力差はない。行き脚のついたところをトールポピーに体当たりされひるんだがゴール寸前また伸びて5着だった。距離短縮は好条件だ

 メイショウベルーガは1000万特別卒業後のクイーンSは7着だったが、最後方から外を回ってメンバー最速の脚を使った。不良馬場で楽勝したキャリアは悪馬場で侮れない。

 ◎ ブラックエンブレム
 ○ レジネッタ
 ▲ トールポピー
 △ オディール
 △ メイショウベルーガ

【セントライト記念 G2】
中山11R 2008年 9月21日(日)
サラ系3歳/オープン/馬齢/2200/芝

sentoraito2009.gif

登録のあったダービー2着馬スマイルジャックが回避したので皐月賞3着、ダービー4着のマイネルチャールズが主役になる。マイネルチャールズは札幌記念で復帰したが6着、デビュー以来初の着外だった。1分58秒6のレコード決着がこの馬向きではなかったことは確かだが、勝負根性がウリだった馬が直線見せ場もなく後退したのは気にかかる。
 2着だった有馬記念馬マツリダゴッホを除けば一線級とはいいづらいメンバーだったので、プラス12キロでも着外とは情けない。ただレースぶりは相変わらずで弥生賞で見せた先行力は封じたまま、抑えて折り合いつけるのがオーナーの意向ということで皐月賞以降前に行ったことはない。臨機応変さのないワンパターン騎乗は騎手のせいとも責められない。かつてのコスモバルクの二の舞か。マイネル馬が先細りなのは、馬の資質ばかりではない。ちなみにマイネルチャールズは募集価格3000万円、高馬とは言えないが値段以上の能力はあった。
 中山2200メートルは先行流れ込みタイプに有利な特殊コース、相手は弱いが差しに構えたら勝機はなかろう。

ダービー6着のクリスタルウィングはチャールズの約6倍=1億7千8百5十万という高馬だ。異父姉にトゥザビクトリーといっても重賞のふたつやみっつ獲らないとあわない勘定。たださすがに能力は高い。2月のデビューでダービーに間に合い、大外18番枠から中団を進み6着と健闘した。4着だったマイネルチャールズとはコンマ2差。道中外を回らなければならなかったぶんつらい競馬を強いられたが、内容はチャールズよりあった。中山は2戦2勝、先行力はある。

 1勝馬だがタケミカズチは皐月賞2着馬。ダービーはたぶん距離のせいで11着と崩れたが、決め手の鋭さはメンバー1、2。弥生賞では先行するような器用なところを見せた。姿形の垢抜けた馬でダービーの敗戦だけでは見限れない。

 ダイバーシティは5月第3週の東京デビュー。クラシックには全く間に合わなかったが、芝1800メートルで鋭い決め手を発揮して2連勝。ジャングルポケット産駒らしさを見せた。続くラジオNIKKEI賞は大外16番枠。当然、後方待機かと思われたが、意表を突く好位追走。直線は馬場の荒れた内を回ってタイム差なしの3着。意外な(?)小回り適性を示した。じっくり構えられる距離も好材料。

 有力馬3頭が8枠なので穴はラチ沿いをだらだらと先行できる馬、2000メートル以上で3勝しているキングオブカルトは長距離向きの先行馬。枠順的にはキングスエンブレムがインの好位をとりやすい。上がり馬ダイバーシティはどう乗るか。

 ◎ クリスタルウィング
 ○ タケミカズチ
 ▲ マイネルチャールズ
 △ キングオブカルト
 △ キングスエンブレム

2008年09月20日 18:45| 個別ページ

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